LCC参入路線は運賃上昇が抑制、旅客数は大幅増…国土交通政策研究所調査

航空 行政
LCCのジェットスター(参考画像)
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国土交通政策研究所は「LCCの参入効果分析に関する調査研究」を公表した。

2012年から始まったLCC(格安航空会社)の国内航空市場参入について、参入効果、利用実態、他モードへの影響などを調査するとともに、路線誘致の取り組みについても調査した。

調査結果によると、運賃は全国の平均運賃は2012年に1.15倍上昇したが、LCC参入路線では1.05倍と、相対的に運賃上昇が抑えられている実態が明らかになった。

旅客数については、LCC参入9路線の合計年間旅客数は、2011年比で2012年が1.71倍、2013年が2.42倍と大きく増加した。一方で、例えば成田~千歳と羽田~千歳など、LCC参入路線と競合する路線は、2012年が0.95倍、2013年が0.87倍と減少しており、LCC参入路線へ旅客が転換している可能性があるとしている。

LCC参入路線とLCC競合路線の旅客数を合計すると、2012年が1.02倍、2013年が1.01倍とほぼ横ばいで推移しているが、LCCが参入していない主要路線が2012年が1.00倍、2013年が0.96倍と微減している状況に比べると、相対的に増加している。

LCC利用者は、高速バス利用者よりは年齢、所得ともに高いが、鉄道、フルサービスキャリア(FSC)の利用者と比べると年齢・所得ともに低く、学生の占める割合が高い。LCCの参入が今まで航空を利用していなかった若者や所得の低い層の航空利用を促したと見られる。

旅行日数については、LCC利用者とFSC利用者で大きな差はない。LCC利用者、高速バス利用者は、片道利用の割合が比較的多い。LCCにより新規需要が誘発される場合、他モードの交通機関の利用も誘発される可能性がある。運賃は、LCCと高速バスが7000円前後に集中しており、FSCと鉄道はその2倍の1万4000円前後が比較的多い。

LCCを利用した理由として最も多いのは「運賃が安かったから」で、次いで「機内サービスを重視していなかったから」、「利用したい時間帯に就航していたから」が多い。

LCCが就航していなかった場合、58%が「LCC 以外の航空会社を利用した」と回答、LCCがFSCから旅客を転換させている。また、16.0%が「旅行しなかった」と答えており、LCCの参入が一定の新規需要を誘発している。

LCCの参入の他モードへの影響では、JR西日本のデータによると、2011年度から2012年度にかけて、LCCが参入していない区間では航空と鉄道のシェアはほぼ同じだが、2012年度当初からLCCが参入している京阪神~福岡県間で4ポイント、京阪神~鹿児島県間で7ポイント、航空のシェアが上昇している。

また、LCCが参入していない路線の旅客(鉄道+航空)が平均3.5%増加したのに対し、LCCが参入した路線の旅客(鉄道+航空)は4.3%増加し、LCC参入による新規需要を誘発している。

路線誘致の取り組みでは、国内とオーストラリアのLCCが就航している地方空港、地域(自治体・観光局)を調査比較したところ、市場分析、提案・交渉、利用促進の誘致プロセスは共通しているが、オーストラリアでは、誘致要員として専門知識を持った人材を登用、路線毎の利用客数予測や、航空会社の収益のシミュレーション結果を元に戦略的に航空会社へ提案している。空港、州・連邦政府観光局が緊密に連携している。

就航に当たって重視する要素では、LCCと自治体にアンケートしたところ、LCCが空港の運用面(発着可能時間帯、施設の余裕、ターンアラウンド時間)や、事業環境(知名度、人口・産業集積、地上交通機関の利便性)を含めて重視しているのに対し、自治体はLCCがこれらをそれほど重視しているとは考えておらず、ギャップがあることがわかった。

《レスポンス編集部》

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