オーストラリア北部の国立公園の野生生物が激減…原因究明へ

エマージング・マーケット オセアニア

国際自然保護連合が警報

 11月15日、国際自然保護連合(IUCN)が、大陸北部のカカドゥ国立公園の野生生物の数が激減しており、重大な問題だと警告している。IUCNでは在来種生物にとって侵入種と気候変動が最大の脅威になるとしている。

 IUCNは、世界228箇所の世界自然遺産指定地の評価を行い、オーストラリアではグレート・バリア・リーフとQLD州の湿潤熱帯地域に懸念が高まっているとしている。

 IUCNの世界遺産プログラムのティム・バッドマン理事長は、「カカドウ国立公園は様々な脅威に対して長期的な見通しに立って対応しなければならない」と語っており、さらに、最近、絶滅危惧種動物を侵入種のいない離島に移して繁殖させるなどの研究が進んでいることを評価している。また、「カカドウの問題は何が原因なのかかなり議論がなされてきた。これは何がどうなっているのか分からないためにどうしていいのかが分からないという問題だ。しかし、カカドウ国立公園を管理しているオーストラリア公園局が悪いのではない。公園の管理は非常に効率的に行われている。管理体制を批判すれば済むことではない。原因を突き止め、それに対する対策を考えることが必要だ」と述べている。また、ウルル・カタジュタ国立公園についてもオーストラリア公園局が管理しており、こちらは自然保護の面で非常に良好と評価している。

 この報告書に対して、オーストラリア自然保護財団のデーブ・スイーニー氏は、「この報告書は早急な行動を呼びかける警鐘だ。一人の人間や一つの団体を責めるというものではない。侵略する雑草や野生化した移入種動物も、気候変動もそれぞれ原因の一部かもしれない。現在の管理体制に加えてさらに自然保全の対策が必要とされている」と語っており、加えて、カカドウ地域内でカカドウ国立公園に囲まれる形で公園から除外されているレンジャー・ウラン鉱山に対して批判している。(NP)
http://www.abc.net.au/news/2014-11-15/kakadu-national-park-wildlife-drop-significant-concern-iucn-says/5893672

カカドゥ国立公園野生個体数激減

《Nichigo Press》

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