【トヨタ MIRAI 発表】求められたのは変革…「クルマのインテリア」ではなく“空間”を作った

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トヨタ MIRAI
トヨタ MIRAI 全 12 枚 拡大写真

トヨタ『MIRAI』のインテリアは、“知恵を形に”という内外装共通のデザインテーマのもと、これまでの構成や様式を大きく変えるイメージでデザインしたという。

「“知恵を形に”というエクステリア、インテリア共通のデザインテーマがあり、そこから技術が形に表れてくることが一番いいと考えた。しかし、内装で水素を使っていることはあまり表現できない。そこでこれまでの部品構成単位を大きく変えてしまおうと考えた」とは、トヨタデザイン本部トヨタデザイン部主幹の加藤寛孝さんの弁。

「通常はメーターやセンタークラスター、グローブボックスが含まれるインパネに、Aピラーが“刺さって”いる。その上には天井があるという構成で、これはものを見なくてもわかることだ」と加藤さん。これを変えてしまおうと考えたのだ。

「MIRAIの場合は、ドアとインパネは機能を持たせたパネルが周り込んでくるイメージでつながり、ピラーもメーターフードとピラーがつながっているようにデザイン。そこから天井に変化している」と説明。つまり、「インパネからピラーに変化して、ピラーが天井に(途切れなく)変化するイメージで、これまでの部位ごとの考え方を変えたのだ」と話す。

加藤さんは、「現在建築でも“空間”という捉え方をする。それと同様に、柱、天井という別々の考え方から脱却したかった。そこで、デザインチームでも、インパネとは呼ばないようにしよう、ドアと呼ばないようにしようと話した。例えば、インパネはドアの延長の前の全体とか、ピラーもそれだけではなく、他と合わせた呼び方で会話をしていた」と述べる。

「期待されているのは“変革”だった。ちょっと形を変えるのはスキンチェンジなので、考え方、つまり構成や様式を変えるということがこのクルマの持つイメージに相応しいインテリアになると思ったのだ」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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