【オーストラレーシアン・サファリ取材記】酷道4000kmを走破、アウトランダーPHEV の乗り心地とタフさに助けられた

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三菱 アウトランダーPHEV(オーストラレーシアンサファリ2014)
三菱 アウトランダーPHEV(オーストラレーシアンサファリ2014) 全 20 枚 拡大写真

オーストラレーシアン・サファリは取材陣も毎日500-700kmほど走行する。ハードな取材ゆえに体力は日々落ちていく。体が少しづつ重くなり蓄積疲労を実感するが、そのような状況で『アウトランダーPHEV』のダートでの乗り心地の良さには助けられた。

日本で1日に500kmも未舗装路を走り続けるようなケースはまずないと思うが、オーストラリアでは珍しいことではない。アウトランダーPHEVは普通の乗用車とあまり変わらぬ快適さで、そのマイルドな乗り味が疲れた体に優しく感じられた。乗用車系のSUVというと中途半端なイメージを持つかもしれないが、普段は街中を乗用車のように走り、荒野に赴き必要となれば4WDとして立派に機能するというバランスの良さは多くの人にとって理想的だろう。

今回の取材で1番気がかりだったのは航続距離だった。オーストラレーシアン・サファリはひとたび内陸方面に入ってしまうと、数百km人里がないような場所を走ることもある。当然給油もできないのだが、ガスコインジャンクションという町から、西オーストラリア北部のエクスマウスという海岸都市までは600km以上ガスステーションがないことを知りがく然とした。

「もしも途中で燃料が足らなくなったらがガソリンを分けてあげよう」と、チーム三菱ラリーアート・オーストラリアのスタッフが助け船を出してくれたが、同時に「もしも我々のマシンが壊れ部品が足らなくなったら、君の車の部品をもらうからね」と笑顔でウインクをされた。

ガスコインジャンクションのガスステーションでは、昔耐久レースに出ていた時にやっていたように時々クルマを大きくゆらしながら給油口のふちギリギリまでガソリンを給油した。それが効果的かどうかは別として、最大タンク容量の45リットル分はガソリンを入れられたはずだ。外気温は30度を越えていたがエアコンを切り、なるべくガソリンを使わないようアクセル開度を一定に保ち走行を続けた。

相変わらずグラベル路の区間も長く、走行抵抗や駆動ロスはそれなりにあるはず。にも関わらず燃料メーターの針の動きは穏やかで、結果的にガス欠でストップということにはならなかった。最後のほうはエアコンをオンにする余裕も生まれたほどだ。これだけの距離を無給油で走りきることができれば、日常的な使いかたでまず困ることはないだろう。

今回のコースの最北部となるエクスマウスでは、素晴らしく美しい海に旅の疲れを癒された。そして、道路脇の荒野をピョンピョンと元気にはね回るカンガルーたちに驚いた。大自然が残る西オーストラリアを、取材とはいえ十分に満喫することができた。そして、アウトランダーPHEVというクルマの良い部分をたくさん知ることもできた。

9日間を走りきりラリーのフィニッシュ地となる西海岸のカルバリに到着した時、積算メーターは4000kmを軽く越えていた。その半分近い距離が未舗装路だったと思われるが、たった1回のパンク以外にトラブルはなし。ラリー仕様のアウトランダーPHEVも完走を果たし、日本から遠く離れたオーストラリアで改めてこのクルマのタフネスぶりを実感した。

《古賀敬介》

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