家具コンテナに違法薬物2.8トン…市場価格1500億円分を押収

エマージング・マーケット オセアニア

警察・税関当局が押収、6人を逮捕

 違法薬物の押収量は急速に増えているが、司法当局の取締り強化だけでなく、流通量が爆発的に増えていることが大きな原因とされている。ロック・ミュージック・フェスティバルなどでは警察が麻薬犬班を動員して警戒しているがそれでも持ち込んで逮捕される若者が跡を絶たず、先日も19歳の女性が死亡している。11月30日、連邦警察や税関国境警備局らがコンテナー積み荷の家具から2.8トンの違法薬物を押収、6人を逮捕したことが報道されている。

 押収されたのはMDMA(メチレンジオキシメタンフェタミン、通称エクスタシー。中毒性などでもっとも危険な違法薬物とされている)が1,917kg、メタンフェタミン(日本の薬学者がエフェドリンから分離した薬物で、日本ではヒロポンの商品名や人格を徹底的に崩壊させることから骨までしゃぶるという意味のシャブの通称で戦前から知られている。オーストラリアではアイス、スピードなどの通称で知られている)が849kgで、市場価格は15億ドルとされ、一度の押収量では史上第2位。

 税関局では、「密輸情報活動を行っている職員がドイツのハンブルク発のコンテナーを捜索検査中に薬物を発見した」と発表している。一方、豪連邦警察(AFP)のアンドリュー・コルビン長官は、「コンテナー積み荷の家具に隠されていた。メタンフェタミン押収量では史上最大、MDMA押収量では第2位だ。膨大な量の違法薬物が社会に出回ることを防ぐことができた」と発表している。

 この違法薬物密輸摘発に合わせてNSW州内各所で捜索令状が執行され、6人が逮捕されたが、コルビン長官は逮捕者はさらに増える見込みと発表している。薬物発見後、警察が積み荷を偽装してコンテナーの宛先に配達し、犯罪行為加担者の一網打尽を図った。また、ドイツ連邦警察や国際警察機構のインターポルとも協力し、海外の違法薬物関係犯罪グループの摘発を図った。

 NSW州警察のアンドリュー・スキピオーニ長官は、「今回の押収は国内犯罪組織にとって大きな打撃になるはず。MDMA2トンといえば1,000万錠に相当する量。これだけの量が市場に出回ることを食い止めた。薬物輸入を阻止することも大事だが、薬物輸入をする犯罪者を摘発することも重要だ」と語っている。(NP)
http://www.abc.net.au/news/2014-11-29/six-charged-over-enormous-15b-drug-bust/5927904

家具コンテナーに違法薬物2.8トン

《Nichigo Press》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 日本初のクルマ専用「除湿剤」が登場、最長180日間快適に
  3. 新型『ムーヴ』『ステラ』のコーナリング性能を向上、ブリッツの車高調「DAMPER ZZ-R」シリーズ
  4. 世界初の「破壊不可能ホイール」って何だ!? テスラ向けパーツ手掛ける米メーカーが開発
  5. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  6. 中国マイクロEV『小馬』10万台を販売した「かわいいペット」戦略
  7. 快進撃のヤマハ、次は「親しみやすいスーパースポーツ」で勝負!?「鈴鹿8耐2025」注目の1台
  8. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  9. ホンダ『プレリュード』新型、インドネシアでは「オールブラック」なプロトタイプを初公開
  10. メルセデスベンツ車だけに特化!走りを静かにする「調音施工」認定店が埼玉県三郷市にオープン
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る