【ホンダ グレイス 試乗】走り、質感すべてにおいて フィットハイブリッド 以上…青山尚暉

試乗記 国産車
ホンダ グレイス
ホンダ グレイス 全 10 枚 拡大写真

コンパクトセダンとしてかつてないスタイリッシュさとハイブリッド専用車という割り切りがもたらす環境性能、大型セダンに匹敵する後席居住空間と快適感を持つのが『グレイス』だ。

【画像全10枚】

1.5リットルエンジン+1モーターに、2ペダルのDTC(デュアルクラッチトランクミッション)を組み合わせたグレイスの走りは、ベースとなった『フィットハイブリッド』をしのぐ、想定外の走りの気持ち良さと快適感、安定感の高さがあるものだった。

フィットハイブリッドより約50kg重くなってはいるが、加速感に大きな違いはない。乗り心地は専用サスペンションとロングホイールベース化、そしてセダンならではのボディ剛性の高さによって、素晴らしくしなやかでストローク感があり、はっきり言って14年12月以前(小変更前)のフィットハイブリッドとは別物の高質感、快適感がある。段差やうねり、荒れた路面のいなし方はもう目からうろこと言うしかない。

フットワークもゴキゲンだ。想像以上の安定感があり、ゆっくり走っても飛ばしても、実に自然で気持ちのいい走りっぷりを堪能させてくれるのだ。カーブや山道を運転したときの安心感、ゆすられ感の少なさは、低全高、低着座位置によ ってフィットハイブリッドを上回るのだから恐れ入る。運転初心者でもこれなら不安なく運転を 、ドライブを楽しめると思う。

さらにセダンボディはハッチバックボディより空力性能で有利であり、またAピラーの最適形状で、静粛性もフィットハイブリッドを大きくしのぐ。フィットハイブリッドで感じられるザワザワした風切り音はほぼないという具合である。高速走行中でも聞こえてくるのはわずかなロードノイズぐらいなものだ。これってすごいことではないか。

タイヤサイズは基準の16インチ(EX)とそれ以外に15インチが用意されるが、操縦性はもちろん、静粛性面で有利なのはノーマルタイヤの16インチのほう。15インチはエコスペシャルタイヤ特有の、転がり抵抗重視のトレッド面の硬さによって、粒の大きいアスファルト路面においてザラついた乗り心地、ロードノイズを伝えてくる。が、操縦安定性、走りの気持ち良さに変わりはない。開発陣いわく、15インチタイヤ装着車、特に4WD(公道未試乗)は想定外の出来の良さとのことだ。

それはそうと、セダンとして大切な後席の掛け心地も文句なしである。フィットと違い 、ダイブダウンやチップアップなどのアレンジを持たず、大型で厚みのあるシート、クッションが与えられているからだ。ヘッドレストを持ち上げずに使えるのは、シートバック高がたっぷりあるからにほかならない。

そんなグレイスは、デザインも走りも国産コンパクトセダンとしてかつてない仕上がりを見せる、エココンシャスな1台。例えばフィットハイブリッドからひとクラス上のセダンに乗り換えたい…そんな要望にもしっかりと応えてくれる、上質で使いやすさ抜群のジャストサイズ ・ハイブリッドセダンなのである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
ペットフレンドリー度:★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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