【トヨタ エスクァイア 試乗】高級感を演出したインテリア、ノア/ヴォクとの価格差も納得…松下宏

試乗記 国産車
トヨタ エスクァイア
トヨタ エスクァイア 全 24 枚 拡大写真

『エスクァイア』は『ノア』『ヴォクシー』をベースにした5ナンバーボディを持つ高級ミニバンだ。外観はTの文字をモチーフに、堂々たる感じの大型フロントグリルが目をひく。エアロボディではない標準の5ナンバーボディでこれだけの迫力は大したものだ。

デザインの違いから、ノア/ヴォクシーとは違うユーザーを獲得するのは間違いないだろう。『アルファード』『ヴェルファイア』が欲しいが高くて手が届かないと思っていたユーザーには絶好の1台になるはずだ。

ノア/ヴォクシーと合わせた販売台数は『アクア』に匹敵するほどで、日本においてはトヨタの主力車種と呼ぶべきクルマである。

エスクァイアがアル/ヴェルと違うのは、外観デザインよりも内装の仕様や装備の方が大きい。専用の仕様による質感の高さは価格差にもつながっていて、エスクァイアはノア/ヴォクシーに比べるとざっと15万~20万円くらい高いが、仕様差を考えると納得モノである。

シート表皮やインパネ、ドアトリムなどに使われている合成皮革は、下手な本革よりもデキの良いものだ。一定の通気性があって夏に熱さを感じにくく、冬場でも冷たさを感じにくい仕様とされているほか、手触りも良い。更にシートもクッションを工夫することで滑りにくく仕上げている。

上級グレードの「Gi」にはほかに、本革と黒木目調のステアリングホイールやシフトノブが採用されている。このほか、エアコンのコントロールパネルの部分にピアノブラックを使い、随所に金属調の加飾を加え、ステッチ処理を施したことなども質感を高めた要素だ。

基本メカニズムの部分はノア/ヴォクシーと共通である。低床プラットホームによる乗降性の良さ、超ロングスライドが可能な7人乗り仕様の2列目シートによる快適性など、ミニバンとしての機能や使い勝手は上々のレベルにある。

ガソリン車もハイブリッド車も、5ナンバーのハイトミニバンとしてトップの低燃費を達成している。ガソリン車は『セレナ』のSハイブリッド並みだし、ハイブリッドはミニバンとして群を抜く低燃費だ。

セレナに負けているのは追突軽減ブレーキの設定がないこと。この点についてはトヨタが2015年から展開を始めるトヨタセーフティセンスの展開を待つしかない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る