【インタビュー】マツダ CX-5 / アテンザ 改良新型、チーフデザイナーが語る「魂動デザイン」の進化

自動車 ニューモデル 新型車
改良新型モデルのマツダ CX-5(左)とアテンザ(右)
改良新型モデルのマツダ CX-5(左)とアテンザ(右) 全 20 枚 拡大写真

マツダは、「魂動」デザインを持つ新世代商品の第一弾『CX-5』とフラッグシップの『アテンザ』に大幅な改良を施し、1月7日に発売する。両車に共通しているのは、グローバルでブランドを牽引する役割を担っていることだ。

ともに最新のメカニズムを搭載するだけでなく、スタイリングも大幅なアップデートが施されている。その目的を、デザイン本部チーフデザイナーの玉谷聡氏に訊いた。

◆2車種同時デビューの理由

----:改良型とはいえ、2車種を同じチーフデザイナーが手がけるというのは珍しいことだと思います。このプロジェクトは同時デビューを前提に進められていたのでしょうか?

玉谷氏(以下敬称略):それぞれの車種がそれぞれの売れ方をしていますから、最初から同時にしようと考えていたわけではありません。もちろんマツダの全車種のデビュー時期はわかっています。でも、どの車種がどういう売れ方をするかは、実際に発売してみなければわからない。

ですからアップデートのタイミングを最初から決めることはできません。それぞれのスケジュールを勘案したところ、たまたま似通った時期になったから一緒にしたということなんです。

----:ただ、まったく同時にすることで、なにかメリットもあったのでは?

玉谷:CX-5のデビュー以降、車種ごとにそれぞれの「魂動デザイン」を語ってきました。ですが、ここまでラインナップが揃ってくると、ファミリーとして語れるようになってきた。車種ごとではなく群としてブランドを語りたい、という思いはありましたね。

----:車種ごとにそれぞれのデザインを語るのではなく、「マツダのデザイン」として語れるようになった、と。

玉谷:ブランドの本質は全車種共通ですから。その上で、各車種がそれぞれのカテゴリーで、キャラクターの際立った存在となるのが理想です。

◆デザインをアップデートする意味

----:アテンザもCX-5も2012年の発売ですが、世界的に好調なセールスを続けています。3年弱でスタイリングに変更を加えるのは、ちょっと早いような気もするのですが…

玉谷:もちろんアテンザもCX-5も、デビューしたときはそれぞれのクラスで当時の最高の表現をしようとしましたし、表現できている自信もあります。ただ、わたしたちは常に全力でブランドを構築しようとしていますので、その表現は絶えず進化しますし、どんどん強く、濃密なものになっていきます。

デビューから時間が経ち、他の新型車がいくつか登場してくると、表現が相対的に緩やかなものになっていきます。スタイリングをアップデートしたのは「もっとエッジを立ててもいいんじゃない?」という補正の意味があるのです。

また『ロードスター』の刷新や『CX-3』の発売などで、「魂動デザイン」を持つラインナップが出揃う瞬間だからこそ、アテンザはマツダのフラッグシップとして、CX-5はSUVカテゴリーのリーダーとして、最新の表現をしていなければなりません。

----:ブランドの最新の表現をするための変更、ということですね?

玉谷:新たな見識を得たりデザインのセンスが磨かれ、設計や生産といった技術面のレベルも上がって、さらに次へ向かって加速してゆく、というのは正常な活動だと思っています。

アテンザは担当デザイナーとして当時の精一杯をやりました。それをもう一度、表現する機会を与えられたわけです。2年の間に芽生えた「思い」をすべて反映させようという気概で臨みました。

ロードスターのプロジェクトに集中していたCX-5のチーフデザイナー(中山雅氏)からは「ウチの娘をよろしく頼む!」と。両車とも大きな責任を感じましたね。

《古庄 速人》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 狭い道! 制限1.7mでコンクリートブロック付き、道幅は5mあるけど?…東京都板橋区
  2. ニックネームは“赤いコスモ”、50年前に登場した2代目ロータリースポーツ【懐かしのカーカタログ】
  3. 【レンジローバー ヴェラール 新型試乗】ああ、紛うことなくレンジローバーだ…島崎七生人
  4. ダンロップのオールシーズンタイヤが安く買えるようになる?…独占禁止法の疑い
  5. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ…注目ニュースベスト5 2025年上期
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る