数多く並ぶ改造車の中で子どもに一番人気のあった車は、トヨタ東京自動車大学校の“甘車”と言って間違いないだろう。なにしろその車のボディには子どもが大好きなお菓子が無数に散りばめられているからだ。その数はなんと2000個。
この甘車は女生徒の発案で始まり、同校の女生徒20人と男生徒3人が参加した、文字通り女子力を結集した車といえる。スイーツは紙粘土でできており、みんなでコツコツと4か月かけてつくり上げた。また、ボディも元車『Will Vi』(トヨタ)の屋根を大胆にカットし、テーブルを設置してケーキ店をイメージ。そして、ぬいぐるみを置いて、かわいらしさを演出した。
ただ、参加した男生徒3人は毎日肩身の狭い思いをしたそうだ。「本当は別の車をつくりたかったんです。先生に言われてしぶしぶ参加したのですが、こんなに反響が出るとは思いませんでした。今は参加して良かったと思っています。皆さんに喜んでもらえて、本当につくった甲斐がありました」と男生徒の一人は話す。そのそばで小さな女の子が指をくわえて、この甘車をうれしそうに眺めていた。