【シトロエン グランドC4ピカソ 試乗】2列目席のゆとりと荷室の使い勝手が光る…青山尚暉

試乗記 輸入車
シトロエン グランドC4ピカソ
シトロエン グランドC4ピカソ 全 10 枚 拡大写真

およそ7年ぶりに新型となったシトロエン『C4ピカソ』は、従来からある7人乗り3列シートモデルを「グランドC4ピカソ」、新たに加わったショートホイールベースの5人乗り2列シートモデルを「C4ピカソ」とネーミング。

【画像全10枚】

コンセプトワードはテクノスペース。シトロエンならではのどんなクルマにも似ていない内外装デザイン、プジョーシトロエン最新のプジョー『308』にも使われるEMP2プラットフォームを採用。7/5人乗りでデザイン、ホイールベースを始め、デザイナーでさえ別物なのも大きな特徴だ。

パワーユニットはBMWと共同開発したおなじみの1.6リットルターボ、165ps、24・5kg-m。組み合わされるミッションはこれまた308にも搭載される最新のアイシン製第三世代6ATである。ついにアイドリングストップを備えたこともあって、JC08モード燃費はここで試乗したロングホイールベースの「グランドピカソ」で14.8km/リットルを達成。先代比でなんと32%の向上だ(5人乗りは15.1km/リットル)。

ボディーサイズは先代に対して全長、全幅こそ変わらないものの、全高は55mmも低まり、車重は50kgの軽量化が図られた。

インテリアのセンスの良さはさすが。全体的な質感も高く、スーパーパノラミックウインドーとパノラミックガラスルーフがもたらす開放的な明るさも大きな魅力。未来感ある360度ビジョンやフロント&バックカメラなどのモニターを兼ねた12インチのセンターメーター、エアコン、オーディオ、電話、ドライビングアシスタンス、ナビなどの機能を受け持つ7インチのタッチスクリーンを含むフルデジタルインターフェースも新鮮だ。

2/3列目席は例によって全席独立タイプ。2列目席はスライドも可能。3列目席へのウォークインはチップアップ&前方スライドで行える。

2列目席は3座独立だから、左右席に着座すると車体外側のひじ部分など窮屈に感じられるが、ホールド性良く掛け心地自体は文句なしである。身長172cmのドライバー基準で頭上に125~195(ガラスルーフ部分)mm、ひざ回りに最大250mm(5人乗りは190mm)もの余裕がある。

その状態で3列目席に着座すると頭上方向の60mmはともかく、平板なシートはホールド性なく、ひざ回りスペースも皆無。フロアからシート前端までの高さが230mmと低く体育座りを強要されるから(『オデッセイ』3列目席で325mm)、緊急席&子供専用席と考えたい。

とはいえ2列目席を前方スライドさせ、ひざ回りを120mmにセットすると、3列目席ひざ回りに100mmのスペースができるから、フル乗車も可能。Bピラーには後席エアコン吹き出し口を完備する。

クラス最大級の容量を誇る荷室は本来、ワゴン的なキャラクターの5人乗りが開口部地上高620mm、開口部に約70mmの段差があるのに対して、ミニバンである7人乗りは開口部地上高が560mmと低く、なおかつ開口部に段差がないのが特徴。フロア奥行きは7人乗りが325~1010mm(3列目席格納時)、5人乗りは900mm固定。フロア幅がより広いのは7人乗りのほうだ。

グランドC4ピカソの走りの印象は、ホイールベースが60mm短く、車重が70kg軽いC4ピカソとは異なるものだった。

低重心感覚、金属サスペンションにしてこれぞシトロエン! というしなやかでフラットな乗り心地に感動できる、16インチタイヤを装着するC4ピカソ エクスクルーシブに対して、17インチタイヤを履くグランドC4ピカソ エクスクルーシブは穏やかなパワーフィール、シトロエン史上最上と言える6ATの変速のスムーズさこそ同等だが、重心がやや高く感じられ、ステアリング操作に対するノーズの動きはかなりゆったり。乗り心地にしても良路でこそシトロエンらしいタッチを示すものの、段差や舗装の粒の粗い荒れた路面ではフロア振動、突き上げが気になりがち。2列目席では5人乗りよりゴツゴツ硬めに感じられるシーンもあった(プジョー308とロングホイールベースの308SWの比較でも、同じような傾向にある)。

つまり、シトロエンらしい乗り心地、操縦性、フットワークで選ぶなら5人乗りのC4ピカソ。2列目席ひざ回りスペースのゆとりやシートアレンジ性、荷室の使い勝手で選ぶなら7人乗りのグランドC4ピカソという悩ましい選択を迫られそうだ。個人的にはグランドC4ピカソに乗り心地面で有利なはずの16インチタイヤを組み合わせた仕様があれば…なんて思ったりする。

ドッグフレンドリー度という点では意外にもワゴン的な5人乗りよりも優れている。すでに述べたように、荷室開口部高が素晴らしく低く(560mm)段差なく、3列目席を格納すればフラット極まる広大なフロアが出現(幅1230mm/奥行き1010mm)。犬用のクレートを固定するのにも便利なフック(4カ所)や後席エアコン吹き出し口の装備もあるからだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
ペットフレンドリー度:★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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