豪ニューサウスウェールズ州で進む公的資産の売却…時期尚早の声も

エマージング・マーケット オセアニア

市内公営住宅、海岸公有地など

 2月10日付の報道によれば、現NSW州保守連合政府が過去2年間に合計10億ドルの資産を売却していた。売却資産として、シドニー市内の公営住宅、事務所建物、病院、学校の他、島一つという物件もあった。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 2012年度の州資産売却は500万ドルだった。2012年後半には高価な州有不動産を管理する新機関Government Property NSWが設立された。同機関のブレット・ニューマンCEOは、「資産は20万件にのぼり、総額は1,300億ドル近い額になる。所有する必要のない物件、利用されていない物件を売却し、政府事業に再投資する利益を得ることが目的」と語っている。

 主な売却資産には、シドニー都心部のAusgridビルの1億5,100万ドル、パラマッタの司法ビルの1億7,000万ドル、ミラーズ・ポイントのテラス・ハウスの2,200万ドルなどの他、ホークスベリー河口のムーニー・ムーニーでは、ピート・アイランドと周辺の川に臨む土地が住宅、マリーナ、小売ハブ向けに売却された。

 州政府のアンドリュー・コンスタンス財相は、「都心部資産の売却には州公務員を都心部から移し、新規住宅やインフラ・プロジェクトに再投資する計画の一環。すでに3億ドルの公営住宅迅速化基金などのプロジェクトに充てている」と発表している。

 州政府の動きに対して、シドニー大学のフランク・スティルウエル経済学名誉教授は、「州政府が低金利で金を借りてインフラ投資できる時期に価値が急速に高まっている資産を売却するのは間違った経済管理。一市民として腹立たしいが、経済学者としても、州政府の行為が経済の理論に外れていることが残念だ」と語っている。

■ソース

New South Wales Government sells $1 billion worth of public assets in past two years

NSW州政府、10億ドル資産売却

《Nichigo Press》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. ファン必見!『ミニGSX-R』は1000台注文あれば販売される!?「鈴鹿8耐」最注目の“スズキの隠し球”
  2. 内装はまるで「地中海のヨット」! VWが新型キャンピングカー『グランドカリフォルニア』発表へ
  3. 日本とは違う『カローラセダン』に「GRスポーツ」が登場、ステアリングもGRがチューニング
  4. フォード『ブロンコ』が60周年、初代をオマージュした記念パッケージが登場
  5. ホンダ『シビック』の顔が変わる! 英国版のグリルとバンパーが新デザインに
  6. 2人乗りの特別なトヨタ『シエンタ』登場に「日本一周したい」「こういうの欲しかったんだよ」など反響
  7. 新型電動モビリティ、「EVEREST XING CITY」先行予約開始…一部ヨドバシカメラで試乗も
  8. ダンロップのオールシーズンタイヤが安く買えるようになる?…独占禁止法の疑い
  9. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
  10. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る