ホンダは、東京ビッグサイトで開催中の第6回国際自動車通信技術展(ATTT)にWi-Fi通信を活用したリアルタイム通信システム「V2X」を初公開している。
ホンダが今回提案するリアルタイム通信システムは、新開発の車載通信ユニット「V2Xユニット」を核に、Wi-Fiを通じて専用アプリをインストールしたスマートフォンなどの端末間で情報をやりとりするというもの。
ホンダのグローバルテレマティクス部システム室の澤戸寛明技師は、V2Xの活用例について「車と車、車と人、さらには社会インフラや地域と車がWi-Fiでつながって、コミュニケーションする。例えば前方に車が停止していると、その車の前の状況が見えにくいが、この時に前の車両から前方の映像を後ろの車両に送ることで、人が渡ろうとしているので前方の車両が止まっているといったことがわかるようになる」と説明。
さらに「停止している前方の車両から歩行者に対して『お先にどうぞ』といったメッセージを送ることもできる。歩行者は車両に対して『ありがとう。わたりますね』と返事するといったように、車と人がWi-Fi通信を使ってコミュニケーションできるようになる」という。
また澤戸技師は今回Wi-Fiを活用したシステムを提案したことについて、「Wi-Fiであれば市販のスマホやタブレット間で通信ができる。これが車車間通信の専用回線を使うと人と車をつなぐことができなくなってしまう。また災害発生時に公衆回線がダウンしてもWi-Fiであれば情報をやりとりするというメリットもある」と話していた。
ホンダはV2Xを活用したサービス内容をブース展示するとともに、屋外展示場でV2X体験試乗も行っている。この体験試乗では車車間、車と歩行者、四輪車と二輪車間での通信、さらには工事現場に接近すると注意情報を促すといった社会インフラとのやりとりを想定したデモを行っている。