女性だけの飲酒は厳禁…50年前までは閉鎖的だったオーストラリア

エマージング・マーケット オセアニア
オーストラリア(資料画像)
オーストラリア(資料画像) 全 1 枚 拡大写真

QLD、パブのバーに体を鎖で縛って抗議

 今でこそ開放的な国オーストラリアのイメージが定着しているが、歴史的には1960年代まで日中に男が上半身裸で泳ぐことが禁止されており、つい最近まで同性愛が違法とされ、1967年まで先住民族アボリジニは国勢調査で国民と見なされず、水泳プールは白人用と黒人用に分かれていた。また1960年代後半まで、女性がパブで飲酒することも禁止されていた。QLD州でパブに女性2人が入り、バーに鎖で体を縛り付ける抗議行動からパブでの男女平等が始まった。その女性が抗議行動の現場になったブリスベンのトーウォンのレガッタ・ホテルを訪れ、女性だけの記念昼食会を開いた。

 ABC放送〔電子版)が伝えた。

 女性はマール・ソーントンさん。1965年に友人のロザリー・ボグナーさんとともに同ホテルに入っていった。ソーントンさんは、「前日、大臣に会って、女性もパブに入れるよう法律を改めてもらいたいと要請したが大臣は笑っただけだった。そこで抗議行動を考えた。パブではバーテンダーが給仕を拒んだため、2人はバーに体を縛り付け、退去を拒んだ。結局、後にビョルケ・ピーターセン国民党州政権の腐敗を調査するフィツジェラルド調査委員会で有名になる警察官、ジャック・ハーバート氏が通報で駆けつけた。

 ソーントンさんは当時を回顧して、「結局、警察官が、『私は帰る。せいぜい楽しむことだ。まあ、飲み過ぎないように』と言ったから、女性がパブに入っても警察は本気で取り締まるつもりがないという既成事実ができあがった」と語っている。

 今もその抗議行動が、全国的な関心を呼び、QLD州の法改定の引き金となり、オーストラリアでの女性解放運動に大きな転機をもたらしたと見なされている。その抗議行動から50年目の3月27日、ソーントンさんは、自分の名前をいただくことになった、「マールズ・バー」で飲むこともできた。ソーントンさんは、「金を払おうとしたが、店が受け取ろうとしなかった」と語っている。

■ソース

Regatta pub protest: Merle Thornton, who chained herself to the bar, returns 50 years on

パブ男女平等運動家50年ぶりに訪問

《Nichigo Press》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  2. 日産 リーフ 新型を発表、第3世代は航続600km超のクロスオーバーEV
  3. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  4. 日産 リーフ 新型の価格を予想する!…ベースは400万円台前半か
  5. サブコンが再評価される理由と純正ECU時代の新常識~カスタムHOW TO~
  6. ホンダ『スーパーEV』世界初公開へ、小型EVで「運転の楽しさ」提案
  7. 「欧州のカローラになりそう」ルノーの最新ハイブリッドコンパクトに日本のファンも熱視線!
  8. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  9. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  10. 中古車の『ヴォクシー』『ノア』をトヨタがカスタム、「URBANATURE」シリーズ初出展へ…東京アウトドアショー2025
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る