【F1 マレーシアGP】ベッテル「夢が叶った」…シューマッハと同じフェラーリで1年ぶりの勝利

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フェラーリスタッフと勝利を喜ぶベッテル
フェラーリスタッフと勝利を喜ぶベッテル 全 12 枚 拡大写真

2015年のF1第2戦マレーシアGPでセバスチャン・ベッテルが今季初優勝。憧れのフェラーリに移籍して約1年ぶりの勝利を手にした。

2010年からレッドブルとともに4年連続ワールドチャンピオンに輝いたベッテル。その4シーズン全77戦中34勝と圧倒的な強さを見せた。しかし車両規定が大幅に変わった昨年は苦戦を強いられシンガポールGPでの2位が最高。フル参戦を始めた2008年以来では初めてのシーズン未勝利。今回の勝利はベッテル自身にとっても1年ぶりのことで、何より昨年は最強と称されたメルセデスに初めて直接対決で勝ったレースだった。

「信じられない気分。特別な日になったよ。昨年は本当にタフだった。自分とクルマが合っていなかっただけだと思う。それに対して今年は自分のスタイルに合っている気がする。この勝利のために頑張ってくれた全てのメカニック、エンジニア、そしてマラネロのスタッフたちに心から感謝したい。本当にたくさんの人達の力でこのプロジェクトは動いている。冬のテストからの進歩と皆の努力が、今日の勝利につながった」と記者会見でコメントした。

1年ぶりの勝利を手にし、パルクフェルメや表彰式では何度も笑顔でガッツポーズをみせたベッテル。実はこの日が特別なものになったというのには、もう一つ理由があった。

かつて彼がF1ドライバーを目指した時には同郷の先輩でありヒーローであるミハエル・シューマッハがフェラーリとともに黄金時代を築き上げていた。彼も多くの若手ドライバーと同じように誰よりも速くて強いフェラーリに憧れを持ち、いつか“跳ね馬”で勝利を飾りたいと考えていたのだ。そして今年念願のフェラーリに移籍。その2戦目でもう一つの夢が叶った。

表彰台ではドライバーの優勝を讃えるドイツ国歌と、チームの優勝を讃えるイタリア国歌が演奏されたが、これはかつて多くのファンが「聞き飽きた」と言ったくらいシューマッハが何度も流してきた組み合わせ。ベッテルは当時のシューマッハのクセでもあったタクトを振る真似もみせた他、ジャンプしてのガッツポーズを披露。それだけ「フェラーリで勝つ」ということは彼にとって大きな憧れだったのだ。

「ミハエルは僕だけじゃなく皆にとってのヒーローだった。当時ドイツ国内でレーシングカートで走っていた子どもたちは皆彼を目指していた。だから、こうしてフェラーリドライバーとして勝利できるのは本当に特別なこと。言葉に出来ないくらい嬉しいし誇りに思う」(ベッテル)。

同じように1年10ヶ月に渡って勝利から遠ざかっていたフェラーリも、ようやく長いトンネルを脱出。昨年観られなかった「強いベッテル」と「強いフェラーリ」が復活した週末となった。

《吉田 知弘》

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