ネットはコンテンツをどう変えたか…「ディズニーと地下アイドルに分化」

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宇野常寛氏(評論家、PLANETS 編集長)
宇野常寛氏(評論家、PLANETS 編集長) 全 3 枚 拡大写真

4月7日、渋谷ヒカリエにて「クリエイティブの生存条件 これから勝つメディア 生き残るクリエイター」と題したトークセッションが開催された。

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登壇者は、宇野常寛氏(評論家、PLANETS 編集長)・佐藤詳悟氏(元吉本興業マネジメント担当者、2月にQREATOR AGENTを創業、現在代表)・佐渡島庸平氏(コルク代表)・古川健介氏(nanapi 代表)。司会は高宮慎一氏(グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー/CSO)が務めた。

冒頭に宇野氏からディスカッションについての趣旨が説明された。インターネットの普及を背景として人間と文化、人間とコンテンツの関係が変化している。今後いかにして文化を発信する仕組みをつくっていくか、メタ視点から考えることが今回のテーマだという。

◆インターネットはコンテンツのあり様をどう変えたか

古川健介(けんすう)氏は、ネットの普及によりコンテンツのみでは稼ぎ辛くなったこと、コンテンツはデバイスやメディアによって最適化しなければならなくなったとを指摘する。

「佐々木俊尚さんにならって言えば、メディアにはコンテンツ・コンテナ・コンベヤという3Cがある。新聞や雑誌の時代はこの三つは密接だった。例えば新聞だと記者がコンテンツをつくり、集められた記事は紙という媒体に印刷され(コンテナ)、新聞販売店により配送される(コンベヤ)。しかしこれらの機能はネットによって分断された」(古川氏)。

「したがって、ビジネス的にもインターネットコンテンツは稼ぎ辛い現状となりコンテンツ自体もそれがどこに向かうかによって変える必要がでてきた。Facebookに合わせるのか、Twitterに合わせるのか、Youtubeに合わせるのか。場所に応じて変えなければならなくなったところで変化が大きいのでは」(古川氏)。

◆コンテンツの二極化「ディズニーと地下アイドルに」

続いて宇野氏。今コンテンツを取り巻く環境の中で起きていることは2つあり、一つ目にコンテンツにお金がつかなくなっていること、二つ目にコンテンツの二極分化を挙げる。

「いまや古今東西の名作が青空文庫で読めるわけです。また、画質や音質にこだわらなければだいたいの映像や音楽はネット上にいくらでも転がっているのが現状です」

では何にカネがつくかというと、宇野氏によれば「体験」と「コミュニケーション」だという。「映像、音声はいくらでもコピーできるけれど、体験やコミュニケーションはコピーできない。その結果として、今いろんなひとがイベント商売をするようになっている。フェスやイベントに関してはお金がつくけれど、YouTubeにいけばフルで聞ける楽曲それ自体にはお金はつかない」(宇野氏)。

もう一つはコンテンツの二極分化。これは作品の質に関わる問題でもあるという。「おそらくこのまま情報社会が進むと、コンテンツは二極分化していく。片方はホモサピエンスであればだれもが感動するようなコンテンツ。親子愛だとか、所謂ハリウッド的なシナリオメソッドが象徴するような、動物としての人間に訴求するもの」と宇野氏。

そして、分極の他方は自分だけの感動、つまりコミュニケーションだ。「誰か憧れのアイドルやアーティストに、数十秒だけでも声をかけることができて、そして言葉をもらう様なコミュニケーションを指す」という。つまり究極的に言えばコンテンツは“ディズニーと地下アイドル”に二分する、と宇野氏は断言する。

さらにこの二極分化のうち「どちらかというと、自分だけの感動やコミュニケーションの方が発展している。自分だけの感動を得られるプラットフォームをいかにつくるかに、皆が注力しているのが現状なのでは」と宇野氏は分析した。

《北原 梨津子》

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