三菱ふそうトラック・バスは4月9日、『ファイター』などのエアコンプレッサに不具合があるとして、国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出た。
対象となるのは、三菱ふそう『ファイター』『エアロエース』『エアロスター』『エアロミディ』、UDトラックス『スペースランナーA』の5車種で、2010年5月28日から2015年2月16日までに製造された計2万0328台。
中型トラックと大・中型バスにおいて、エアコンプレッサのシートガスケット(エアコンプレッサ内の冷却水通路とエア通路の気密性を保つもの)の強度が不足しているため、ピストンの往復運動による圧力振動で当該ガスケットに亀裂が発生するものがある。そのため、冷却水がエア通路に浸入し、エア圧送時に配管を伝わり、エアドライヤ(圧縮空気中の水分や油分を取り除くもの)から排出され、冷却水が減少することで警告灯が点灯し、そのままの状態で使用を続けると、エンジンの出力が制限される。
また、エア圧縮時の熱により冷却水が乾燥し、結晶化して生成された固形物が吸排気バルブに付着することで、吸入または圧送されるエアが減少。エア圧が低下することで警報ブザーが鳴るとともに警告灯が点灯し、そのままの状態で使用を続けると、充分なエア圧が確保できなくなりブレーキ機能に影響を及ぼし、路上故障に至るおそれがある。
改善措置として、全車両、エアコンプレッサヘッド一式を対策品と交換するとともに、当該ヘッドのエア通路に冷却水の浸入が認められたものは、エアコンプレッサのピストンとシリンダライナーを新品に交換し、エアドライヤのオーバーホールを実施する。また、エア系統を点検し、冷却水の混入が認められたものはエア系統を清掃し、不具合が生じた部品を新品に交換する。
不具合は459件発生、事故は起きていない。市場からの情報により発見した。