トヨタ、メキシコと中国に新工場建設へ…工場投資を再開

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トヨタ自動車本社
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トヨタ自動車は4月15日、メキシコに小型乗用車を生産する新工場および中国・広州にある合弁会社の工場にラインを増設すると発表した。

トヨタは収益構造改善のため2013年から新工場の建設を凍結してきたが、同社幹部は「既存工場の能力の使い切りを進めながら、新ラインの建設のノウハウがほぼ手に入ってきた。これを用いて次の成長に向けて、競争力のある工場を建設し、持続的な成長を目指していきたいということで、今回、メキシコ、中国の工場の建設に至った」と、凍結解除の背景を述べた。

メキシコの新工場は約1200億円を投じてグアナファト州に建設し、2019年から『カローラ』の生産を開始する計画。生産能力は年間20万台。北米では、カナダと米ミシシッピ州でカローラを生産しているが、カナダでの生産分を新工場に移管する。これに伴いカナダでは新たにミッドサイズモデルの生産を始める。

メキシコの新工場についてトヨタ幹部は「現在、我々のシミュレーションによると、世界中のカローラの工場の中でダントツのコスト競争力のある工場に仕上げていく」との見通しを示した。新工場は伸縮自在ラインや床置きできる小型設備、コンパクトな塗装ブースなどにより、初期投資を2008年当時に比べて約40%抑えることができるのが特徴。

一方、中国では合弁会社である広汽トヨタ自動車の広州市内にある工場に第3ラインを新設する。投資額は525億円で、生産能力は年間10万台。生産車種は明らかにしていない。

トヨタ幹部は「既存の第1、第2についても競争力強化の取り組みをまずやる。自動化設備の導入など生産性向上を図ることで、当然人員が浮いてくる。そうした人員を第3ラインに振り向けることで、新規雇用せずに、すでにトレーニングを受けた人員を活用できるので非常に早いタイミングから稼働が良くなる。これにより工場の生産能力は増えるが、競争力も全体としては飛躍的に伸びる」と述べた。

また今後のグローバルでの生産能力増強についてトヨタ幹部は、「現在、全体の既存工場をグローバルでみると90%超える稼働率になっている。地域によってはすでにフル稼働している地域もある」とした上で、「最低限でもお客様の信頼を頂いてトヨタの車をご愛顧して頂くことを考えると、市場の成長とトヨタの成長はほぼニアリーイコールくらいとみていくのは通常の考えかなと思っている」との認識を示した。

《小松哲也》

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