上海モーターショー2015では、ナビゲーションシステムの日系大手サプライヤー、クラリオンは日立オートモティブシステムズと共同出展している。
日立オートモティブシステムズは内燃機関やハイブリッドなど電気系パワートレーンコーナーと並び、高度運転支援システムや自動運転システムを柱にした展示を行った。
高度運転支援における日立グループの特徴は光学センサーの活用である。富士重工のアイサイトも日立オートモティブシステムズのステレオカメラセンサー技術を活用している。
この分野で日立は、光学センサーユニットと画像処理にクラリオンの技術を採用。
「現在の自動車用に使われているカメラセンサーはまだまだ画素数が低かったりモノクロだったり、進化の余地が充分にある。画像処理技術の進化で可能性は広がる。」(日立オートモティブシステムズ佐々木靖主管技師)
「クラリオンのオーディオやナビなど車載機の分野はインフォテイメントとして、日立グループが持つクラウド技術やビッグデータ解析技術との連携が重要になって来ている」(クラリオン清水健良中国マーケティング部長)
クラリオンの展示エリアでは、最新の中国車種に搭載される3機の自動車メーカー純正車載機を展示。搭載車種は鄭州日産『MX6』、東風本田『Spirior』、そして長城汽車『Haval H8』の3車種。中国国内で開発・製造され、中国の消費者ニーズの吸収とコスト競争力の維持を可能にしている。
「スマートフォン連携など求められる機能は増える傾向にあるが、方向性はメカレスでさらに低価格化。近い将来、納品価格1千元(約2万円)という時代がくる。」(同清水氏)
長城汽車など民族系自動車メーカーがそれでも割高であるはずの日系車載機メーカーを選ぶその理由は、「やはり品質。ハードとしての品質だけでなく、ソフトのバグもサービス体制も含めた総合的な品質が評価されている」(同清水氏)、という答えが返ってきた。