【電動バイク zecOO 動画試乗】未来的な加速とユニークな操作は「新しい乗り物」…佐川健太郎

モーターサイクル 新型車
zecOO
zecOO 全 8 枚 拡大写真

純国産の本格的フルサイズ電動スポーツバイクとして注目を集める『zecOO』(ゼクー)。 

“日本のモノづくり”を世界に示していくために、元トヨタのデザイナーとして活躍した根津氏(ツナグデザイン)が中心となってスタートさせたプロジェクトである。車体を構成するほとんどのコンポーネンツを日本で製造し、すべて手作りで組み上げているというから驚きだ。

電動バイクというとスクータータイプをイメージする方が多いと思うが、これはまったくの別物。モーター最大出力50kw(約67ps)、最高速度160km/hというとスペック的には600cc~750cc程度のガソリン車程度だが、注目すべきは144Nmの最大トルク。この値は世界最速バイクの称号を持つ『ハヤブサ』(排気量1300cc)にも匹敵する。

見た目は異様なほど個性的だが、宙に浮いたようなカーボン製のシートに跨がると意外としっくり。足着きも良くリラックスできるローライダースタイルだ。バッテリーやモーターなどのコンポーネンツを低く配置した低重心設計ゆえ、280kgの車重もあまり感じない。

最初にちょっと戸惑うのはハンドル操作。通常のバイクと異なり、左右のレバーを前後に押し引きして操作するタイプなので慣れが必要だ。加えて操舵システムに「ハブセンターステアリング」を採用しているため、通常のテレスコピックフォークのような上下動がほとんどない。ブレーキング時には安定している反面、曲がるきっかけを作りにくいと感じる人もいるかもしれない。ただ、これらゼクー独特のクセも30分も乗っていれば体が自然に順応して普通に乗り回せるようになる。コツさえ掴んでしまえば、今までにない新しい乗り物を操る楽しさが俄然浮き立ってくる。

特筆すべきはやはり加速性能だろう。スロットルひと捻りで瞬時に100%のトルクが取り出せるのは電動モーターならでは。出足の加速はリッタークラスのスポーツと遜色ないレベルだ。そして、ギヤチェンジなしにどこまでも伸びていく気持ち良さ。高性能電動モーターが奏でる“未来”のサウンドにも痺れる。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
快適度:★★★
タンデム:-
オススメ度:★★★★★

佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト
早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

《佐川健太郎》

佐川健太郎

早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。メーカーやディーラーのアドバイザーも務める。(株)モト・マニアックス代表。「Yahoo!ニュース個人」オーサー。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. トヨタ カムリ 新型、全車ハイブリッドに…今春米国発売
  2. シトロエンの新デザイン採用、『C3エアクロス』新型を欧州発表
  3. 40アルファードの静粛性が一変!調音施工で快適性が飛躍的に向上
  4. レゴ ブロック初心者再び! セナが愛用した「マクラーレン MP4/4」を組み立ててみたら感激した
  5. ジムニー愛好者必見! ベルサスVV25MXが切り拓く新たなカスタムトレンドPR
  6. トヨタ『ランドクルーザー250』発売、520万円から…特別仕様車も
  7. マツダ、新型3列シートSUV『CX-80』をついに世界初公開 日本導入時期は
  8. 【ホンダ N-BOX 新型試乗】アイデアの詰まった使い勝手はまさに「ニッポンの国民車」だ…中村孝仁
  9. レクサス『GX』通常販売は今秋に、先行して100台を抽選販売へ 価格は1235万円
  10. ヤマハ伝統の“白×赤”カラーがついに登場!ネオレトロバイク『XSR900』2024年モデル
ランキングをもっと見る