トヨタ自動車は6月16日に豊田市の本社で定時株主総会を開き、新しいタイプの株式である「AA型種類株式」の発行に伴う定款一部変更などの議案の承認を得た。近く第1回分として5000万株を上限に募集を始める。
AA型種類株は、研究開発資金などの調達に際し、中長期にトヨタ株を保有してくれる個人株主を増やす狙いで発行を立案していたものだ。普通株の時価より2割ほど高い価格で発行され、原則5年は売却できない。しかし元本は保証され、配当利回りは5年間の平均で年1.5%と、金融機関での貯蓄や国債などより有利になる。
議決権もある株式でありながら、いわば債券のように投資リスクが小さいのが特徴だ。発行をめぐってはトヨタの株主でもある米国の大手公的年金基金が、海外の株主には配慮が不十分などとして、導入に反対を表明する動きも出ていた。