【マツダ ロードスター 試乗】原点回帰、特性と向き合える「S」の醍醐味…島崎七生人

試乗記 国産車
マツダ ロードスター S
マツダ ロードスター S 全 7 枚 拡大写真

“原点回帰”が「S」のコンセプトだそう。マニュアルエアコンの3連ダイヤルが黒色の樹脂で簡素というかストイックに思えるのは、先行量産車試乗時の印象と変わらない。

走らせていると、やけにエンジン音がダイレクトに聞こえるように感じた。そこで訊いてみると、ボンネット裏のインシュレーターが省かれているだけでなく、フロントガラスも専用で“遮音膜”が入っていないタイプということだ。新型のサウンド(エンジン、排気音など)はこれまでより1オクターブ音色をあげたそうで、よく通るメカニカルサウンドとともにドライブが楽しめる…という訳だ。

山道を走らせて感じたのは、クルマの挙動や反応が「スペシャルパッケージ」よりもよりピュアでプリミティブだということだ。車重の軽さもあり、姿勢変化や荷重移動がより実感しやすい。なのでクルマの特性と向き合い手なずけながら走らせたい、または自分なりのチューニングで仕上げていきたい…そういうタイプのユーザーにきっと好まれるだろう。

レポーターも初代NA型を自身で乗り、当時、信頼のおけるショップのアドバイスを受けながら、コニの減衰力調節式ダンパーやレーシングビートのスプリング、65プロファイルタイヤ(アルミホイールはエンケイの“アライフ”)、球形シフトノブやモモの細身のステアリング、カーボン製ハードトップなどで自分仕様にし、楽しんだことを懐かしく思い出した。

もちろん、どのND型にも共通の、フラットで低速でも荒れない乗り心地は、この「S」でもしっかりと確保されている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スバル『アウトバック』新型、約515万円から…年内米国発売へ
  2. 下請法が「取適法」に…2026年1月施行の改正ポイントは?
  3. 日産『GT-R』生産終了、4万8000台を製造し18年の歴史に幕…次期型に知見継承へ
  4. レクサス『LM』対抗!これがメルセデスベンツ最高級ミニバン、『Vクラス』後継の最終デザインだ
  5. カワサキの649ccクルーザー『バルカンS』、2026年モデルで新カラー登場 価格は105万6000円
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る