マレーシアの外貨準備高の減少が顕著だ。中央銀行バンク・ネガラ発表の統計によると、7月15日時点の準備高は2週間前より4.7%少ない1005億米ドルで、ほぼ5年ぶりの低水準となった。
米ドル換算では1005億米ドルとなり、50億米ドルの大幅減となった。同準備高は輸入高の7.9カ月となり0.3カ月分の低下、短期対外債務は横ばいの1.1倍となった。
中銀がリンギ下支えのため市場介入に資金を投じたことを示唆するもので、リンギは既に1米ドル=3.813リンギと、アジア通貨危機の際、中銀が1米ドル=3.8リンギに固定して以来、初めて3.8リンギ以上の安値になった。
米国の連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに踏み切れば、資金の米国への還流でリンギはさらに下落が予想される。
過去1年間、貿易収支は月18億米ドルの黒字を続けたが、外貨準備は同22億米ドルのペースで減少を続けており、豪系マッコーリー銀行の外為担当者ニザム氏は「巨額の資金流出を意味する」とコメントした。
マレーシアの外貨準備高は、2012年8月半ばには4300億リンギを突破。9月末から2013年初頭までいったん4200億リンギ台に減らしたが、再び上昇に転じて2013年10月末には4462億リンギまで上昇していた。その後は再び減少に転じ、2014年2月末には4300億リンギ台を、同年9月末には4200億リンギ台を割り込んでいた。