【新聞ウォッチ】独VWブランド失墜、ディーゼル排ガス不正問題でCEOが引責辞任

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VWのマルティン・ヴィンターコルンCEO
VWのマルティン・ヴィンターコルンCEO 全 2 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2015年9月24日付

●VW不正CEO辞意、米司法省、刑事訴追も視野(読売・1面)

●終わっちゃった、大型連休 新幹線Uターン混雑ピーク(毎日・27面)

●中国経済「減速」9割、主要118社調査「改善」1社のみ(産経・2面)

●TPP自動車協議継続、日米など関税撤廃条件、結論出ず(日経・3面)

●VWブランド失墜、業績悪化は不可避、信用回復に1~2年の見方(日経・5面)

●通院必要な自転車事故 高齢者7割通報せず(日経・38面)

ひとくちコメント

5日間に及んだ秋の大型連休「シルバーウィーク」が終わったが、世界の自動車業界にとっては連休中も気掛かりだったのがドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のディーゼルエンジン車の米国での排ガス規制不正である。

“クリーン”のはずが“ブラック”となった悪質な排ガス不正問題が発覚したのは、連休入り直前の9月18日。米メディアは、VW側に最大約180億ドルの民事制裁金が科されると報じた。

そして連休最終日の23日には同社のマルティン・ヴィンターコルンCEOが辞任する意向を表明。VW創立以来で最大級のスキャンダルは、トップの辞任という事態に発展した。

連休中だったのか、日本のメディアの報道はこれまで控えめだったが、きょうの各紙は毎日が1面トップで「VW会長が辞任、排ガス規制逃れ引責」と報じたほか、読売、朝日、産経、日経も1面準トップで取り上げている。さらに、各紙は、総合面などで解説記事を掲載。

読売は「VW不正悪質な手口」との見出しで、「世界最大規模の自動車メーカーが、当局の目を欺くために意図的に行ったという点で、極めて悪質と言える」と伝えた.

産経も「VWブランド失墜、排ガス不正1100万台の可能性、米、制裁金2兆円も、欧米韓で調査着手」として、「経営に大きな打撃を与えるのは必至。2015年通年に世界販売台数首位を目指す道は遠のいた」と取り上げた。日経も「VWブランド失墜」と産経と同様で「再建に向け課題は山積している」と報じた。

東京は「米販売低迷焦りか、会長の不正認識焦点」として「実力派の会長ウィンターコルン氏の影響力が強すぎることが不正につながったとの指摘がある」とみている。

そのヴィンターコルン氏は声明で、「この規模の不正が社内で行われたことに衝撃を受けている」とした上で、「自身で過ちを犯したとは考えていないが、社の利益のために決断した」と強調。「辞任により、新たなスタートへの道を開きたい」と述べたという。

AFP通信によると、VWは後任を9月25日に発表するそうだが、経営トップの首をすげ替えたからといって、問題が解決するわけではない。メディアによると、「日本ではVWの対象車を含むディーゼル車を販売していない」と報じている。だが、国内でもマツダなどが積極的に拡販してようやく“市民権”を得られつつある「クリーンディーゼル車」が、VWの排ガス不正で再びイメージが低下しないかどうかが気掛かりである。

《福田俊之》

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