【新聞ウォッチ】 VW排ガス不正、ソフト納入のボッシュ07年時点で違法性警告

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ドイツ・ウォルフスブルクのVW工場
ドイツ・ウォルフスブルクのVW工場 全 2 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2015年9月28日付

●排ガス不正11年に指摘、VW内で、放置の可能性(読売・2面)

●VW不正自動車大国看板に傷(読売・4面)

●F1日本GPハミルトン今季8勝目 、力不足露呈ホンダ屈辱(毎日・23面)

●VW、リコールへ 排ガス不正「数週間内」(産経・1面)

●TPP首席交渉官会合、合意「最後の機会」、知財・自動車が焦点(産経・2面)

●VW、07年に違法認識か、ソフト納入取引先文書で警告(東京・2面)

●タイヤ生産能力9%増、今年末、住友ゴム、タイ工場で(日経・9面)

●高速道民営化10年、防災含め進む地域連携(日経・25面)

ひとくちコメント

ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車の排ガス規制不正が発覚してから1週間が経過したが、海外メディアの報道によって新たな事実が相次いで明らかになってきた。

まず、VW内では2011年の段階で排ガス処理の違法性について指摘があったなどと、ドイツのメディアが報じたのをきょうの日経などが取り上げている。

それによると、ドイツ紙の「フランクフルター・アルゲマイネ」は、問題発覚を受けた社内調査で、すでに11年に社員の技術者が指摘していたという。ただ、この内容は9月25日に、VWの最高意思決定機関である監査役会に報告されたが、指摘がなぜ活かされなかったのかについて言及はなかったという。

一方、英紙「フィナンシャル・タイムズ」などによると、欧州連合(EU)の欧州委員会の研究機関も13年の段階でソフトの問題を指摘していたという。この点についても、その後の対応が不十分だったと指摘している。

さらに、排ガス規制の不正ソフトをVWに納入したドイツの自動車部品大手ボッシュが2007年の時点で、VWに対してソフトの違法性を文書で警告していたという。現地のドイツ紙が報じたのを共同通信が配信し、きょうの東京などが取り上げている。

記事によると、ボッシュはあくまで内部の「テスト用」としてソフトを提供したといい、規制逃れのために使用すると違法になると伝えたとしている。早くから不正を認識しながら販売を続けてきた可能性が強まってきたと指摘する。

また、VW側が数週間以内のリコール(回収・無償修理)開始を検討しているという。きょうの産経が1面準トップで取り上げているが、このネタ元もドイツのメディアである。

米国では、VWの米国預託証券の価格が下落して損失を被ったとして、投資家らがVWを相手取って損害賠償を求める集団訴訟を起こす手続きを開始。スイスはVWの対象車種の販売を中止するなど、自動車大国を揺るがすVWの排ガス不正問題は一段と深刻の度合いを深めている。

《福田俊之》

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