【ITS世界会議15】世界で一台 4WS仕様の自動運転 プリウス…アイシンが体験試乗

自動車 テクノロジー ITS
ドライバーが気を失った際に自動的に安全な路肩へ寄せる
ドライバーが気を失った際に自動的に安全な路肩へ寄せる 全 19 枚 拡大写真

アイシン精機をはじめとするアイシングループ5社は、フランス・ボルドーで開催されたITS世界会議2015に出展。「安心で楽しいサスティナブル・コミュニティ実現に向けて『人にやさしいモビリティ』」をテーマに、ドライビング シミュレータや屋外デモを展開した。

注目は屋外で行われたデモでは、プリウスを4WSに改造した専用車を用意。これを使って専用コースを走ることでアイシングループが考える自動運転へ向けた技術のデモが体験できた。

このデモカーにはドライバーをモニターするための赤外線センサーが装備され、自動ブレーキをコントロールするESC、オートパーキングを実現するパーキングアシスト システムを装備。前後にはそれぞれ障害物を的確に捉えるためのステレオカメラも装着されていた。

デモは全4パターンで構成される。(1)ドライバーモニター システムと連携し自動で路肩に退避(2)交差点での歩行者の保護(3)事故状況を検知してルート変更 (4)リモコン駐車の4つだ。

デモがスタートするとまず赤外線センサーによる目や鼻、口などの配置を元にした個人認証が行われた。それが終了すると(1)のデモに移る。ここで使われるセンサーも赤外線センサーで、瞼や顔の向きなどから運転手が運転不能状態に陥ったことを検知、安全な路肩に車を寄せて自動停止する。

運転手が気絶状態になると車内にはアラームが鳴り響き、モニター上にはウォーニングが映し出された。デモでは時間が短かったため実施されなかったが、通常は運転手への呼びかけも行われるという。また、個人認証が行われていれば、登録してある先へ自動通報も行われる。

ドライバーが気絶状態となって、ハンドルにもたれかかりハンドル操作が難しい時は後輪操舵で路肩へ寄せる仕組みにもなっている。4WSはこれまで走行性能を高めることに用いられてきたが、緊急時にも4WSが役立つという意味も持っているのだという。

(2)は、携帯電話を持っている歩行者がいることをセンターから情報を得て存在を知らせるものだ。路側からの情報をもらって対応する場合はインフラ整備が必要だが、この方法なら特にインフラの整備は必要ないし、夜間などでも効果は大きい。ただ、位置精度については誤差範囲は大きめになるとう。

(3)は、道路上に事故車が停止していることをリアルタイムで検知し、今後渋滞の発生が見込まれると判断すると自動的にそれを避けるルートをガイドする。この場合、車車間通信で行われることもあるし、路側からの情報として受信することもある。その受信方法は適宜対応することを想定しているようだ。

(4)のリモコン駐車は、基本的にはすでに実用化されているパーキングアシストの技術をベースに開発された。駐車前の停止位置はそれほどシビアに考えずとも駐車はできるそうで、センシングは白線や障害物を自動認証して行う。そのため、公共の駐車場でも十分対応は可能。アイシンでは駐車することを苦手とする高齢者であっても、外へ出る機会が増えることを願っての開発を進めているのだという。

一方、展示ブースでは、「さり気なく、隔てなく、途切れない」「誰でも安心できる」「ワクワクできる」の3つのソリューションを疑似体験できるドライビング シミュレーターを出展。「次世代HMI」「自動駐車」「AR案内」「車両統合制御」などを疑似体験できた。

その他、映像とパネルを使って解説として、切返しを伴う駐車や縦列出庫なども支援する「駐車アシストシステム」や、プローブによる「道路情報作成システム」などが展示された。

《会田肇》

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