ボッシュはシュツットガルト郊外のレニンゲンに設立された新研究センターの開所式に合わせて、同施設内でおこなっている主要研究テーマについての概要説明とデモンストレーションを実施した。
デモでは、社内インキュベートのロバート・ボッシュ・スタートアップが設立したベンチャー「ディープフィールド・ロボティクス」の開発による農業用ロボット『ボニロブ(Bonirob)』を披露した。
ボニロブは、全高2m前後の正方形ボディの四隅にそれぞれ独立操舵機能をもたせた自走行型の農業用ロボットで、筐体天板にGPSを初めとする測位・レーダーを、ボディ下部にイメージセンサーや超音波センサーを備える。
GPSにより位置測位をおこない、自動走行しながら土をスキャニングし、農作物の成長を妨げる雑草などを自動判別して除去する機能を備える。説明員によれば、「自動車で培われたセンサー技術やイメージ認識アルゴリズムを応用して農作物に悪影響を与える雑草を判別し、ボニロブの下部に装備された長さ約80cmのロッドで除去する。これにより除草剤に頼ることなく生育が可能となり環境にも優しい」とのこと。
取るべき雑草と取ってはいけない苗を判別させるために、膨大な画像を利用して機械学習をおこなった。「葉の色や形状をパラメーター化して識別精度を向上させた。認識精度のさらなる向上やコスト面の改善など、近い将来の商用化へ向けた開発を大学や研究機関などと共同で進めている」(説明員)。