国家資格「運行管理者」の試験を実施する運行管理者試験センター(新宿区・永井正夫会長)は16日、8月に実施した同資格試験の東京会場での運営上の誤りを認めた。受験者に謝罪するとともに、今後の対策を公表した。
「関係する受験者の皆様に大変ご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫びいたします。(略)今後、このような事案の再発を防止するための対策を講じ、試験の適正な運営に努めてまいります」と、ホームぺージ上に掲載した。
同試験センターは8月23日に実施した「運行管理者」資格試験で、あらかじめ経過時間の告知を行うと受験者に伝えていたが、東京会場となった東京都市大学(世田谷区)の試験会場の1室で試験監督者が、終了5分前の告知を忘れて、試験を終えた。
予告なく試験が終了したことに受験者の一部が抗議したことをきっかけに、同センターは約80人の受験者のうち試験終了後に最後まで残った3人だけに、5分の試験時間の延長を認めた。また、延長した受験者と共に残り、「納得できない」と対応を強く求めた6人に対してのみ、個別に説明を行ったことも明らかにした。
5分の時間延長について、同センターは問題に解答するための試験延長ではないことを強調。「結果的に当該教室における一部の受験者に対して、転記の機会を失わせてしまったことへの対応措置として、転記の機会を設けた」と、お詫びの中に記載している。
さらに、こうした不適切な対応が発生した理由は2つあり、「試験終了間際に退出する受験者が集中し、教室責任者が解答用紙を回収する対応に追われていた」ためで、「当該教室には時計が設置されておらず、一部の受験者が時間の管理を行うことができなかった」ことが、受験者のセンターに対応を求める要因となったとした。
また、来年3月に実施される試験からは、3つの改善策を講じることを掲げた。
・試験監督者に対する試験実施要領の周知と指導の徹底
・受験者に対する、試験の途中退席は試験終了5分前までとすることの周知徹底
・受験者に対して腕時計を持参することを試験案内書に明記する