【ホンダ シビック タイプR 新型】VTEC技術光る、2.0リットルターボ…専用チューニングも満載

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ホンダ シビック タイプR 新型
ホンダ シビック タイプR 新型 全 32 枚 拡大写真

エンジンフードを開けるとレッドのエンジンカバーとアルミ製のインテークパイプが見えてくる。そのエンジンは『タイプR』初となるターボエンジンだ。

【画像全32枚】

直列4気筒2.0リットル直噴ターボエンジン。ここ最近、「2.0リットルターボ」というスペックをよく目にするが、そう時代はダウンサイジング。各社がこぞって2.0リットルのターボエンジンを開発し始めた。ホンダはそのジャンルで後発といえる。後出しじゃんけん?(笑)ゆえにホンダらしい技術が投入されていた。

その代表的なものに排気バルブにVTEC技術が投入されている。最近のターボ技術のトレンドとして、ターボの弱点である排気流量の少ない低速域での効率を上げるために様々な工夫が施されている。例えばツインスクロールタイプや可変ジオメトリーなどがそれにあたる。ターボそのものを小さくすれば低速域でもトルクを出せるが、それだと高速域でパンチがなくなる。

ホンダはVTEC技術を持っているので、低速域での排気バルブのリフト量を上げターボに十分な排気ガスを導き、ブースト圧を低速域からコントロールしているのだ。これによって燃費も節約できる。まさにホンダらしいテクノロジーにより2500~4500rpmで400Nmという最大トルクを発生。さらに6500rpmで310hpのピークパワーを発生し、トップエンドは7000rpmまで回すことのできる高回転型エンジンに仕上げている。そのトルクはドライ路面でも3000rpmでホイールスピンさせるほどのもの。

トランスミッションはホンダ内製の6速MT。シフト操作はショートストロークでクイックだが、各ギヤのゲートがはっきりわかるもので操作性がとても良い。さらに軽量コンパクトだ。

またFFハイパワーモデルにつきもののトルクステアー(パワーをかけたときにステアリングがとられる現象)もほとんど感じない。これはフロントサスペンションの転舵を受け持つナックルアームとストラット(ダンパー)を分離したデュアルアクシス・ストラットを採用したことによりセンターオフセット(タイヤ装着中心とハブの中心距離)を小さくすることができたことと、デュアルピニオン電動パワーステアリングなどの制御によるもの。

そして、サスペンションにはザックス製の可変減衰力ダンパーが採用されていて、ベースモードに加えてコクピット内の+Rボタンを押すことでサーキット走行も可能なモードに変化する。ベースモードでもスポーティーな味付けだが、乗り心地はかなり良い。

他にも細かなチューニングはここでは書ききれないほど。大まかにはこんなところだ。

最後に書き加えておきたいのが専用開発されたコンチネンタル「スポーツコンタクト6」(235/35 ZR19)タイヤだ。鷹栖のテストコースをハードに攻めても表面の顔は崩れないし、ウェット路面では素晴らしいグリップ性能と耐ハイドロ性能を見せてくれた。もちろんドライ路面でも高いグリップ性能とハンドリング特性だ。

これだけの装備性能ならニュルブルクリンクのオールドコースで7分50秒台というFF最速タイムは納得できるものだ。

《松田秀士》

松田秀士

成仏する直前まで元気でクルマを運転できる自分でいたい。「お浄土までぶっ飛ばせ!」をモットーに、スローエイジングという独自の健康法を実践する。これまでにINDY500に4度出場し、ルマンを含む世界4大24時間レース全てに出場経験を持つ。メカニズムにも強く、レースカーのセットアップや一般車の解析などを得意とする。専門誌等への寄稿文は分かりやすさと臨場感を伝えることを心がけている。

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