JR東海は12月18日、一部の区間が不通になっている名松線を、2016年3月26日のダイヤ改正にあわせて再開すると発表した。6年5カ月ぶりに全線で列車が走る。
名松線は、松阪(三重県松阪市)~伊勢奥津(津市)間43.5kmを結ぶJR東海の鉄道路線。2009年10月の台風18号による豪雨で全線が不通となった。このうち松阪~家城(津市)間のみ同月15日に再開している。
残る家城~伊勢奥津間17.7kmは土砂崩れなどの被害が大きく、JR東海は同区間を廃止する方針を示していたが、後に沿線自治体が協力することを条件に復旧する方針に転換。2013年5月から復旧工事が始まった。
JR東海の発表によると、ダイヤ改正にあわせて3月26日に運行を再開するが、初日は伊勢奥津発5時56分・7時31分の上り2本と、家城8時25分発の下り1本を代行バスで運行する。このため、一番列車は上りが伊勢奥津9時35分発、下りが家城10時28分発になる。
災害による鉄道路線の不通期間は、岩手県の山田線平津戸~腹帯間(1948年9月~1954年11月)と、兵庫県の摩耶ケーブル線(1995年1月~2001年3月)の6年2カ月が、戦後最長だったとみられる。名松線は6年5カ月ぶりの再開となる見込みで、山田線と摩耶ケーブル線の不通期間を3カ月上回る。