【エンジンオイル講座 vol.6】はじめてのオイル交換 前編…作業前のチェック項目

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オイル交換の際には、古いオイルの処理方法も考慮する
オイル交換の際には、古いオイルの処理方法も考慮する 全 1 枚 拡大写真

はじめて自分でオイル交換にチャレンジしたいとき、その道のりは簡単なようで難しい。ただ、ステップを踏んでいけば失敗も減らせるだろうし、致命的なことはまず起きない。

まず一番大切なことは、抜いたオイルの処理方法が確保できるか? 一番楽なのはオイル購入店で廃油を引き取ってもらえることだろう。次に考えられるのは行きつけのガソリンスタンドなどで引き取ってもらう方法。オイル処理用の段ボール箱などを使う際には、その段ボールをどうやって捨てればいいか? を自治体などに確認しておく必要がある。オイルは交換したけど廃油が処理できない…というのはかなり困る。

さて、いよいよオイル交換だが、まず工具類を確認しておこう。必要な工具類は下記のとおり。
1. ジャッキ、できればガレージジャッキ
2. リジットラック、よく「ウマ」と呼ばれるもの
3. 輪留め 角材などでもいい
4. オイルドレーンボルトを外すためのレンチ、一般的にはメガネレンチ。片口スパナは絶対に使わない
5. 廃油を受けるためののパッドなど、そのまま廃棄できる段ボール製のものでもいい
6. オイルフィルターも同時に交換するなら、フィルターレンチ
7. ウエス
8. 懐中電灯(作業灯が理想、ドレンボルトの位置などを確認するため)
10. 新品のドレンボルトワッシャー
11. エンジンオイル

作業に入る前に覚えておいてほしいこと。ネジやボルト、ナットは、「の」の字に回すと締まり、その逆で緩む。オイル交換の場合は、下向きのボルトを回すので、わけがわからなくなることが多い。もしわからなくなったら「の」の字を指で書いてみるといい。

オイル交換はまず、オイルフィラーキャップ(オイル注入口のキャップ)が外れることを確認する。ここが外れないということは、オイルが入れられないということ。オイルを抜いてしまってからオイルを入れられないと身動きが取れない。もしフィラーキャップが緩まないときは、素直にあきらめてディーラーや整備工場に行く事をおすすめする。エンジンのヘッドカバーについている一般的なオイルフィラーキャップが硬い場合は、モンキースパナで挟んで回すと緩めやすい。ただし、力を入れすぎるとキャップが割れることもあるので、やはりあまりに硬い場合はプロにまかせよう。

クルマをジャッキで上げて、リジットラックをかける。作業中にジャッキが外れて挟まれないようにするためだ。クルマが後退しないように輪留めをかけることも忘れずに。4か所にリジットラックをかけたり、オイル排出口の向きに合わせて傾斜をつけて古いオイルがきれいに抜けるようにしたいと思う人も多いが、オイルパンに残っている古いオイルについてあまり神経質になる必要はない。

古いオイルはオイルパンだけでなく、エンジンのあらゆる箇所に存在している。すべてのオイルをきれいにするなら、エンジンをオーバーホイールする以外に方法はない。たとえフラッシングオイルを使っても、フラッシングはあくまで希釈でしないから100%きれいにはならない。つまりそこまでやる必要がないのがオイル交換という作業で、それで十分に事足りるのだ。フラッシング(後編にて方法を記述する)を行う場合は非溶剤系のフラッシングオイルを選び、そのオイルに記述されている方法で行いたい。

後編に続く。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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