【MINI クラブマン 試乗】あらゆる意味でミニを超えたミニ…諸星陽一

試乗記 輸入車
MINI クラブマン
MINI クラブマン 全 12 枚 拡大写真

『MINI クラブマン』は、ミニ史上最大となるボディサイズを誇るモデル。リヤゲート部には観音開きのドアを備え、独特のスタイリングを誇っている。

全長は4270mmとBMW『1シリーズ』よりも短いが、全幅は1800mmとBMW『3シリーズ』と同等。国産車でいえばトヨタ『クラウン』と同じ全幅なので、ミニというにはかなり大きなクルマ。全長もミニ史上では最も長く、現在のところ、史上最も大きなミニということになる。

試乗車は192馬力の最高出力を持つ2リットル4気筒のターボエンジンを積む「クーパーS」。ミッションは8速のATが組み合わされる。走り出して感じるのは、「ん? ちょっと今までのミニと違う、ゴーカートっぽくない」であった。それもそのはず、クラブマンのホイールベースは2670mmもあるのだ。これはスバル『レヴォーグ』よりも10mm長い。これだけのホイールベースが与えられれば、走りも安定指向になって当たり前。

基本的な走りは歴代ミニのなかでもっともしっとりした大人の雰囲気を持つもの。エンジンパワーもたっぷりあり、それに多段ギヤを組み合わせているので、速くそしてシームレスなギヤチェンジにより快適な走りを手に入れられる。パフォーマンスコントロールをスポーツに入れればより走りは鋭くなり、ミニらしいゴーカートフィーリングに近づく。

新しいミニクラブマンが上質に感じるのはそのプラットフォームのよさにある。クラブマンのプラットフォームはBMW『2シリーズアクティブツアラー』と同じ最新のもの。路面の乱れを抑え、エンジンの力をしっかりと4輪のタイヤに伝えることができるというわけだ。

ミニはこのクラブマンで大きな進化を遂げ、今までのミニを凌ぐ乗り心地を手に入れた。ただ、進化はミニらしいフィーリングの一部を無くした。いかにも子供が大人になるようなものだが、それをどう感じるかはユーザーが決めることとなるだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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