本領発揮、冬のミツビシ…北海道で4WDラインアップにイッキ乗り

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三菱 アウトランダーPHEV
三菱 アウトランダーPHEV 全 30 枚 拡大写真

三菱自動車は恒例となっているSUVウインター試乗会を開催。さまざまなタイプの駆動制御に一気試乗した。世界的に見てもこれほど多くのバリエーションの駆動システムを持っているメーカーは珍しいが、4WDを大切にする三菱らしい姿勢と言える。

【画像全30枚】

1.スーパーセレクト4WD-II/パジェロ、パジェロスポーツ、トライトン

三菱の4WDシステムのなかでもっともヘビーデューティな仕様。センターデフとビスカスカップリングを組み合わせた方式で、センターデフのロックも可能。オプションでリヤデフロックも装着できる。『パジェロ』のフルタイム走行時の前後駆動力配分は33対67、『パジェロスポーツ』のフルタイム走行時の前後駆動力配分は40対60となっている。

雪道を走っていると非常に高い安心感を感じる。このシステムなら何かあっても大丈夫、きっと帰って来られるという気持ちになる。これはクロスカントリービークルにとっては非常に大切なことと言える。

2.イージーセレクト4WD/トライトン

トライトンは日本では販売されていないモデルで、タイの工場で製造されているピックアップトラック。東南アジアなど暑い地域へのデリバリーのほかにロシアといった極寒の地へも輸出されている。トライトンにはパジェロなどと同じスーパーセレクト4WD-IIのほかに、専用のイージーセレクト4WDを設定。走行中に2WDと4WDの切り替えが簡単にできる。リヤデファレンシャルにはリヤハイブリッドLSDを採用、滑りやすい路面でも操縦安定性や走破性を確保する。

3.電子制御4WD/デリカD:5

FFをベースに電子制御カップリングを介して後輪に駆動力を伝える方式が電子制御4WD。『デリカD:5』の場合は2WD、4WDオート、4WDロックの3モードが設定されている。4WDオートは前後駆動力配分を自動的に調整するモード。4WDロックは後輪への駆動力配分を増すモードで、ドライバビリティが向上する。1ボックスタイプのミニバンとは思えない高いボディ剛性と4WDの組み合わせは世界的にも珍しい貴重なクルマ。実用性の高いモデルと言える。

4.電子制御4WD+S-AWC/アウトランダー

PHEVではない『アウトランダー』が採用するシステム。センターデフの代わりに電子制御カップリングを配置し前後駆動力配分を制御する点はデリカD:5と同じ。フロント左右間に電子制御クラッチを採用し差動制限を行うとともにブレーキ、電動パワステを組み合わせて4輪を制御する。PHEVよりも制御されている感覚が伝わってきて理解しやすいが、総合的な性能でみればPHEVが上と感じる。

5.ツインモーター4WD+S-AWC/アウトランダーPHEV

もっとも進化したシステムと言えるのがこのツインモーターにS-AWCを組み合わせたもの。言わずと知れた『アウトランダーPHEV』に搭載されているシステムだ。フロントの駆動はエンジンとモーター、リヤの駆動はモーターのみで行う。前後の駆動系が完全に切り離されているのが最大の特徴。物理的にタイトコーナーブレーキングなどが起きない。そこにS-AWCを組み合わせたことで細かな制御が可能。走りは落ち着いていながらも正確で速い。もっとも進化したシステムであることを感じられる。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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