【マツダ デミオ 試乗】より静粛性を高めたガソリンエンジン仕様…諸星陽一

試乗記 国産車
マツダ デミオ 13Sツーリング Lパッケージ
マツダ デミオ 13Sツーリング Lパッケージ 全 8 枚 拡大写真

2014年9月に発表されたマツダの『デミオ』。ディーゼルが注目されるモデルだが、ガソリン車の実力も高い。

デミオは日本では珍しい小排気量ディーゼルを搭載し、その性能が高いためディーゼル車が大きな注目を浴びている(実際、私もディーゼル車が好きだ)が、ガソリン車の実力も高い。昨年の改良では従来ディーゼル車にのみ採用されていたフロントウインドシールド遮音ガラスをガソリン車にも拡大。静粛性がさらに増した。

この改良ではディーゼルエンジンにもナチュラル・サウンド・スムーザーというパーツが採用され、静粛性を高めているが静粛性という面ではガソリンエンジンにはかなわない。ディーゼル車はエンジンの存在が際立つセッティング、ガソリン車はエンジンの存在を感じさせないセッティングという方向性だ。ハイブリッド車のような静かさ、振動のなさが好きな人がハイブリッド車から乗り換えるならガソリン車のほうが合っているだろう。

エンジンのフィーリングは素直で、アクセルの踏み込み量とエンジン回転上昇の様子、そして速度のすべてがうまくシンクロしていて乗りやすい。ATの伝達感やシフト制御もスムーズでコンパクトカーに求められる駆動ユニットとしての要素はすべて満たしていると言っても過言ではない。そうして走っているときの静粛性が高く、振動が少ないのだ。

ただ、この性能はすべてがエンジンに起因するわけではない。というのもディーゼル車とガソリン車では装着されているタイヤが異なるのだ。「13Sツーリング」は185/65R15、「XDツーリング」は185/60R16で、明かにXDツーリングの16インチタイヤはパターンノイズが大きかった。ガソリン車で16インチ仕様はなし、ディーゼル車で15インチ仕様はXDのみとなる。今度機会があれば、XDとガソリン車で比較試乗をしてみよう。そうすればより違いは明らかになるだろう。

EPSのセッティグを変更したことで、初期からパワーアシストが効き、パワステのアシスト量が平均化された。停車時の据え切りや駐車時の低速切り返しでの軽さはもちろん、信号停止から交差点を曲がるような場面でも軽々とした動きになった。より、出来のいい優等生的なクルマになったのは確かだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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