JR北海道、車両の老朽化で在来線特急減便か…新車購入できるお金なく

鉄道 企業動向
老朽化が進むJR北海道のキハ183系特急形気動車。これに代わる新しい車両の製造が困難なため、特急列車が減便される可能性がある。
老朽化が進むJR北海道のキハ183系特急形気動車。これに代わる新しい車両の製造が困難なため、特急列車が減便される可能性がある。 全 1 枚 拡大写真

JR北海道はこのほど、特急形気動車の保有車両数が減ることを前提にしたダイヤ見直しの検討を始めた。老朽化した車両に代わる新しい車両の製造が難しいためで、特急列車の減便などが行われる可能性がある。

同社が4月13日に発表したところによると、今年3月末時点でJR北海道に在籍する特急形気動車は、キハ183系・キハ281系・キハ283系・キハ261系の計4系列・236両。このうち、国鉄時代に最初の車両が登場したキハ183系は86両が在籍しているが、平均車齢が30年に達しており、一番新しい車両でも登場から27年が経過、経年32年以上となる車両も34両残っている。

最も古い34両については、ブレーキ部品や屋根上機器、雨樋、エンジン排気管などの腐食や車体塗色の剥離、床下部品の亀裂が著しく進んでいることから、2017年度末までに廃車する計画を立てている。しかし、エンジンを搭載する特急形気動車は1両3億円以上と高額で、廃車分を補充するための新しい車両を導入するのは財務的に困難としており、使用車両数が減ることを前提にダイヤを編成する検討を始めたという。

現在、キハ183系を使用している特急は、函館~札幌間の『北斗』4往復、札幌~網走間の『オホーツク』4往復、札幌~稚内間の『サロベツ』1往復となっている。並行する高規格道路の延伸などの影響で在来線特急の利用率が低下しており、列車を削減する公算が強い。

とくに『オホーツク』の旭川~網走間は、2015年度の利用者数が1991年度の50%前後にまで落ち込こんでいる。『サロベツ』の旭川~稚内間も1991年度の7割弱となっており、これらの去就が気になるところだ。

JR北海道は今年3月のダイヤ改正で、一般形気動車キハ40系の老朽化を理由にローカル普通列車の本数を削減している。特急形気動車は一般形より車齢は若いものの、「寒冷地を高速で長距離走行することから劣化の進行が早い」(JR北海道)という。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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