【BMW 330e Mスポーツ 試乗】ビーエムらしさを楽しめるFR基調のPHEV…諸星陽一

試乗記 輸入車
BMW 330e Mスポーツ
BMW 330e Mスポーツ 全 9 枚 拡大写真

電動化を進めているBMWはひとつの方向性としてPHEVのラインアップ充実を図っている。『330e』は3シリーズセダンをベースにFRのままPHEV化したモデルだ。

【画像全9枚】

システムは2リットル直4のターボエンジンにモーターを組み合わせたもの。モーターは8速ATの内部にビルトインされていて、モーターのみでの走行、エンジンのみでの走行、その2つを組み合わせたハイブリッド走行が可能。駆動用のバッテリーはトランクルーム下に配置され、前後50対50の重量バランスを保っている。

エンジンは184馬力/290Nm、モーターは88馬力/250Nmのパワー&トルクスペック。システムとしては252馬力/420Nmと数値が公表されている。200V電源で3時間での満充電が可能、JC08モードで36.8kmのEV走行ができる。EV時の最高速度は120km/hになる。走行距離については走り方によって変わるだろうが、半分しか走らないとしても19km程度は走ることになる。これは東京駅を中心とした円の場合、23区を飛び出して横浜や大宮といった場所(あくまで直線距離)にまで届く。

EV走行していると非常に静かで落ち着いた走りができる。たとえば、朝の渋滞時に静かで落ち着いたクルマで通勤すれば、イライラも少しは減るかもしれない。または夕方の帰宅時、仕事から開放されたときのプライベート空間の静粛性が高ければ、疲れた身体が癒やされるかもしれない…そんな想像ができるのが330eだ。ただし、加速中の後席ではモーター音が気になる場面もあった。

エンジン走行に切り替わったときも、ハイブリッド走行に切り替わったときもそのつながりはじつにスムーズでよどみのないもの。エネルギーフローモニターを確認していないと、切り替わりに気づかないこともある。アクセルの踏み具合や速度、などによっては微小なショックを発生することもあるが、それが動力源の切り替えによるものかどうか? を見極めるのもなかなか難しい。

250Nmのモータートルクは日産『リーフ』とほぼ同一(リーフ:254Nm)だが、リーフがミッションを持たないのに対し、330eはモーター直後にミッションがあるのが大きな違い。バッテリーの消費を気にしないのであれば、モーターだけで120km/hまでの加速も可能だが、力強い加速が欲しいならば普通にハイブリッドモードで走ればいいだろう。

BMWらしいこだわりとして前後重量配分は50対50に保たれているが、車両重量は320iと比べて200kg程度重い。それを感じさせない動力性能を実現しているのはテクノロジーの高さを感じる。さらにハンドリングに関してもスポイル感はない。全体の重量は増えているが前後重量配分が変わらず、重心点は下がっているのでコーナリング時のガッシリ感はかえってアップしている感じもする。

トランクルーム下に駆動用バッテリーを収納するがトランク容量は370リットルを確保、4/2/4で分割できる可倒式リヤシートバックを使ってトランクスルーとして拡大することも可能。実用性もかなり高い。

車両本体価格はもっともベーシックな330eが554万円、最上級グレードでスポーティな330e Mスポーツが599万円。カテゴリー的には少し上となるが、日産スカイラインのハイブリッドがPHEVではないものの550万円程度のプライスとなっていることを考えれば競争力は十分にあると言えるだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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