【ボルボVISTA16】始動はするけど吹け上がらないエンジン…電子的エラーか物理的故障か

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ボルボ豊橋トレーニングセンター(愛知県豊橋市)などで、4月27・28日の2日間にわたり実施されたアフターセールス技能競技大会(VISTA)
ボルボ豊橋トレーニングセンター(愛知県豊橋市)などで、4月27・28日の2日間にわたり実施されたアフターセールス技能競技大会(VISTA) 全 24 枚 拡大写真

ボルボ拠点の接客・技術などアフターセールス技能を競う世界大会「VISTA」。その日本代表決定戦が愛知・豊橋で4月27・28日に行われ、「少し前から走行中にエンジンが吹けなくなり、何度かエンストした」というユーザの訴えに対し、選手たちが原因を究明していった。

ボルボ設問担当がこの課題に対し「基本点検から見ていく。エンジンの圧縮も問題ないが、エアの流量が測定できないという症状がわかるはず」と解説するように、選手たちはボルボ故障診断機(VIDA)を実車(『XC60 T5SE AWD』)に接続し、エラー箇所を探していく。

ユーザの「エンジンは始動する」という情報から“初爆”が確かめられ、点火系統にエラーがないと推測。同様に圧縮も問題ないと判断できる。また燃料の圧力(燃圧)もVIDAの値で問題ないと把握する。

そこで、初爆中のVIDAパラメータをみると、エンジン回転中の「MAF流量:ECM-エアマス」がほぼ0g/s(正常値6g/s)であることに気づく。ここで、エンジン回転を上げても、エアマスの値が変化しないことで、『MAFセンサーが怪しい』と判断できる。

選手たちはこのエラーをふまえ、MAFセンサーに関連するエンジンコントロールモジュール(ECM)端子電圧を点検。MAFセンサー本体に不良箇所があると見て、集中的に調べていく。この問題の原因は、MAFセンサー本体の「ホット/コールドワイヤー部の詰まり」だった。

同社設問担当は「選手によっては、エア流量を測定できない状況で、コネクタを外してチェックする人もいる。エア流量は、もともとあるデフォルト値(代用値)がある。だから、コネクタを抜くと、エンジンが回転し続けるという症状改善をみせることから、センサーが患部であると判断できる場合もある」とも話していた。

実技試験では、「少し前から走行中にエンジンが吹けなくなり、何度かエンストした」「けさ、エンジンをかけようとしたら始動しなかった」「リヤシート左右ヘッドレスト格納機能が不調」「リヤワイパーが動かない」「パワーテールゲート上限位置の設定依頼」「車内の計器側とセンターコンソール側の『Sensus』で燃費表示が違う」という6つの問題が設定された。試験会場では、選手たちがこうした課題について的確に原因を究明し、正しくユーザに案内できるかどうかなどが審査された。

《レスポンス編集部》

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