トヨタ豊田社長「モビリティそのものが大きな転換点に」

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トヨタ自動車の豊田章男社長
トヨタ自動車の豊田章男社長 全 3 枚 拡大写真

トヨタ自動車の豊田章男社長は5月11日、2016年3月期連結決算の会見で、「今起こっている潮目の変化は、収益環境の変化だけではない」と話し、自動車を取り巻くモビリティ全体が大きな転換点にさしかかっているとの認識を示した。

確かに昨今の自動車業界は自動運転などこれまでにない新しい技術が盛り込まれつつある。そのうえ、IT企業が自動車をつくり始め、さまざまなタイプのモビリティが登場している。

「こうした大きな変化をとらえ、従来の自動車事業から生まれない新しい価値をつくり出す取り組みも積極的に進めていきます」と豊田社長は強調する。

そのための一つが今年1月に設立したトヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)だそうだ。これは人工知能(AI)などを研究する会社で、その道の第一人者であるギル・プラット氏がCEOを務める。AIはこれからの産業の核を握る技術として注目を浴びていて、世界中でその研究が進められている。

「私は、TRIはトヨタ自動車の前身である豊田自動織機のなかに豊田喜一郎がつくった『自動車部』のような存在だと思っています。創業期、自動織機から自動車へのパラダイムシフトに挑戦したトヨタが、もう一度大きくモデルチェンジするきっかけをTRIとともに創り出していく」と豊田社長は話す。

自動運転の技術はもちろんのこと、ロボットをはじめ、自動車以外の分野の製品もこのTRIから生み出そうと目論んでいる。いつの日か、トヨタ自動車の社名から“自動車”の名前が消える日が来るかもしれない。

《山田清志》

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