旧深名線沼牛駅舎の修復プロジェクト募金始まる…当面200万を目標

鉄道 行政
昨年7月に内部公開された旧沼牛駅舎。クラウドファンディングによる資金調達が実現すれば、上利別駅舎の部材を再活用した修繕が行われる。
昨年7月に内部公開された旧沼牛駅舎。クラウドファンディングによる資金調達が実現すれば、上利別駅舎の部材を再活用した修繕が行われる。 全 2 枚 拡大写真

1995年9月に廃止され、現在は市民団体が保存活動を展開している深名線の沼牛駅舎(北海道幌加内町)の修繕を行う「北海道 木造駅舎保存プロジェクト」がこのほどスタートした。5月31日からインターネット募金(クラウドファンディング)による資金調達を呼びかけている。

このプロジェクトは、沼牛駅舎を北海道ちほく高原鉄道の廃駅・上利別駅舎(北海道足寄町)の部材を再活用して修築するもの。上利別駅舎は2015年秋の暴風雨で損傷し、維持・修繕には多額の費用が見込まれることから解体されることになっている。そんな同駅舎の想い出を沼牛駅舎へ受け継ぎ残すことで、北海道内に現存する歴史的な木造駅舎の永続的な保存を目指すという。

クラウドファンディングはウェブサイト「READY FOR?」で受け付けている。目標金額は200万円で、6月1日時点で20人から24万5000円の支援が集まっている。締切は8月1日23時。支援額は5000円、1万円、3万円、5万円、10万円、50万円、80万円に別れており、それぞれの金額に応じたリターンが用意されている。

3万円以下の支援は無制限に受け付けているが、5万円は30件、10万円は20件、50万円は4件、80万円は1件を受け付ける。最高額である80万円の場合、名前または企業名を掲示した駅名標を1年間設置するといったリターンも用意されている。設置期間終了後は駅名標がプレゼントされる。リターンの発送は10月中旬を予定している。

上利別駅からはすでに駅舎の木窓枠や出札口木板などの古材を譲り受けており、クラウドファンディングが成立すれば、8月から9月末にかけてこれらを再活用して沼牛駅舎の柱や基礎部分など損傷が激しい箇所の修繕を進め、降雪前の10月頃には修復した駅舎が公開される運びとなっている。この修復に際しては、旧深名線天塩弥生駅跡にオープンした民宿天塩弥生駅を手がけた「キタ・クラフト」が協力するという。

ただし、これらの修繕は最低限の維持に留まるため、最終的には400万円を目標に支援を集め、沼牛駅に駅員がいた昭和40年代の姿を目指して、建物全体の維持に必要な修繕や朽ちた壁・床の修繕、出札口窓枠の復元などを行いたいとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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