ADVAN FLEVA V701 試走、グッドハンドリングで乗り心地も快適

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横浜ゴム ADVAN FLEVA V701試走
横浜ゴム ADVAN FLEVA V701試走 全 10 枚 拡大写真

横浜ゴムが今年4月に発表した新パフォーマンスタイヤ、「ADVAN FLEVA V701(アドバン・フレバ・ブイナナマルイチ)」を試した。

試走コースとして用意されたのは日本自動車研究所の城里テストコース(茨城県)。まず最初におこなったのは、約8000km走行した後のADVAN FLEVAとS.driveの比較試乗。摩耗具合としては新品から1.5~2mmくらい減った状態。この程度がもっともタイヤノイズが増える状態だという。

装着されていたのはVW『ゴルフ』。タイヤノイズをチェックするにはなかなかいいチョイスだ。結論から言えば、ADVAN FLEVAの静粛性はかなり高い。直進状態ではS.driveと比べると1~2段階くらいノイズが低い印象。ノイズの音圧が上がるのは、ステアリングを切った際だが、このときの上がり具合もADVAN FLEVAのほうが小さく、音質もストレスを感じないものだ。

ウエット路では同じくADVAN FLEVAとS.driveとのフルブレーキングでの制動距離比較を行った。車両はトヨタ『86』で、ABS作動、完全停止までの距離だ。ブレーキングを開始する速度は80km/hを少し超えてから。80km/hオーバーからブレーキングすると、80km/hからの制動距離を計測するというじつに便利な計測機が装着されていた。数人のデータを抽出して平均化したところ、ADVAN FLEVAは23.8m、S.driveは25.7mという数値になった。2mはときに生死を分ける可能性もあるほどの差だ。

ADVAN FLEVAが装着されたトヨタ86、メルセデスベンツ『A180』、プジョー『208GTi』で一般道に近い路面状況となる外周路を走る。ADVAN FLEVAの大きな特長はステアリングの中立付近のグリップが適度にゆるい(コーナリングフォースの発生具合がゆったりとしている)こと。一般的にスポーツタイプのタイヤはステアリング切りはじめの反応がよく、中立付近もピシッとしたフィーリングとなっているものだが、ADVAN FLEVAはここをゆるくすることで過敏な動きを消している。

中立付近のグリップを高くすると、ステアリングを切った瞬間の挙動が過敏になるほか、路面のちょっとした変化にも敏感な反応を表してしまい、乗りにくい特性となってしまう。サーキット走行やワインディング走行をメインにしたタイヤならそうしたセッティングもありだろうが、ADVAN FLEVAはそうした層を狙ったタイヤではない。もっと普段使いレベルで普通に快適に使えて、燃費もよく、それでいてスポーツ走行も可能というのが目標だ。

そうした目標の達成感を感じられたのがプジョー『308GTi』とスバル『レヴォーグ』を使ってのウエット旋回からのドライスラローム。グリップ限界付近でのコーナリングとなるウェット旋回から、アクセルを踏み込んでの限界超えも、ステアリングを切り増しての限界超えもグリップの低下はわかりやすい特性。スラロームでのグリップ感もいい。圧倒的な限界性能の高さはないが、切り返しでのグリップの立ち上がりはADVANの名に恥じないレベルを確保している。

ADVAN FLEVAの価格はblue earth-Aと同レベルか少し上になるとのこと。195/55R15~265/30R19まで24サイズをラインアップ。普通のエコタイヤではつまらない、でもハイパフォーマンスはちょっと…という人にはベストマッチとなることだろう。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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