【ダンロップ ウィンターマックス02】スケートリンクで試乗走行…旧モデルと氷上比較

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ウィンターマックス02 スケートリンク試乗走行
ウィンターマックス02 スケートリンク試乗走行 全 14 枚 拡大写真

4日、住友ゴム工業は、8月1日より販売を開始するスタッドレスタイヤ「ウィンターマックス02」の試乗走行会をスケートリンクに設置した特設コースで行った。

ウィンターマックス02は、国内消費者がスタッドレスタイヤに求める氷上性能と、耐摩耗性のニーズに応えつつ、もうひとつの消費者が重視するポイントである、性能の長持ちということに注力したという。そのために、シリカネットワークをよりきめ細かくし、路面の微細な凹凸との密着を向上させたり、サイプやエッジパターンを工夫し、氷にひっかかる部分を増量したり、雪注のせん断パターンの強度を高くするような溝で、雪やシャーベットとのグリップ力を高めたり、ゴムのオイル成分の抜けを抑える軟化剤を開発したり(性能の長持ちを実現)、といった点がウィンターマックス01から改善された。

比較試乗は、同じ車両(VW『ゴルフ』)にウィンターマックス01と02を装着した車を交互に乗り比べる方式だ。コースは、スケートリンクをゆっくり1周しながら、氷上での発進、20km/hからのブレーキ性能、スラローム走行を試す。

スケートリンクのように平面度の高い路面での走行経験がないと、スタッドレスタイヤといえど、グリップ感をつかむのが難しい。グリップもしているし、ステアリング操作にも応答するのだが、その反応のタイミングや感覚が実際の凍結路面、氷上のようになった圧雪路面とも違う。

発進・加速もゆっくり行わないと、すぐにタイヤが空転する。ブレーキもすぐにGが抜けるので荷重移動もほとんどできない。そんな中で、慎重な運転操作となるが、性能の違いは発進時のタイヤの空転とABSを効かせたブレーキングで体感できるものだった。

微妙な差だが、02のほうが発進が楽だった。01の場合、油断しているとタイヤの空転でスピードメーターだけすぐに20km/h以上に達してしまうが、実際のスピードはもう少し低く、しかもタイヤで転がっているというよりまさにすべって移動している感覚だ。02もその傾向はぬぐえないが、発進時の空転が少なくスムースだった。また、走行時にタイヤが空転してもアクセルオフと丁寧なアクセル操作でグリップ感が戻るのも02のほうがよかった。

明らかな違いを感じたのは、ABSの効き方だ。01の場合、ABSがロックしたブレーキを解除して再びブレーキを効かせるまでの間隔が長い。通常ABSが作動すると「ガガガッ」という音とペダルへのフィードバックがある。これが「ガーッガーッガーッ」という感じになる。微妙な差だが、これが制動距離に影響する。同社の資料によれば氷上のブレーキ性能は01と比較して02は12%ほど距離が短くなるという。

ABS作動の違いにつて、タイヤ技術本部 第三実験部 川口雄司課長に聞いたところ「おそらくABSがブレーキを解放しても01の場合、タイヤがすぐにグリップせずそのままの状態ですべってしまっているのでは?」との見解を示してくれた。通常であれば、ブレーキ解放ですぐにタイヤが回転しはじめ、次の制動動作がすぐに始まるが、スケートリンクのような氷上で水の膜ができるとこのような制御になってしまう。

02でのABSの方が、通常の制御に近い感覚で作動した。

スラロームでは速度を抑えて慎重に走行するため、正直違いはわかりにくかったが、ステアリングの応答性は02のほうが少しよかったように感じる。これは、02の発進性能が高く、スタートからスピードに乗りやすい傾向があったのに、スラロームの感覚があまり差がなかったことから判断した。スピードにするとメーター読みで01が10km/h程度。02で12km/hくらいだった。

《中尾真二》

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