【GARMIN fenix 3J Titanium 海外インプレ中編】ベルギーでサイクリングに使ってみた、その実力は

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ブルージュの町並みを散策。画面上で拡大できるがスマホやパソコンに取り込んで見たほうがいい
ブルージュの町並みを散策。画面上で拡大できるがスマホやパソコンに取り込んで見たほうがいい 全 21 枚 拡大写真

マルチスポーツトレーニング用GPSウォッチのfenix(フェニックス)シリーズの人気モデル、「fenix 3J Titanium」を自転車大国ベルギーに持ち込んだ。自転車競技史上最強の選手と言われるエディ・メルクスを輩出したこの国を、サイクリングしながらガジェットとしての実力を試してみるのだ。結論として、海外旅行の足跡を印すのにこんな便利なものはないと感じた。

◆ベルギー、フランダース地方を行く

今回はオランダ・ベルギーフランダース政府観光局のアテンドで現地のサイクリング事情を視察する5日間の自転車紀行。前半の2日半がベルギーのフランダース地方への訪問だ。まずはヨーロッパの美しい村30選に選ばれたシントマルテンスラーテムへ。ここはベルギーの芸術家が集まる緑豊かな高級住宅街だ。20世紀初頭に多くの芸術家がここに移り住み、現在も画家たちの住居がそのままギャラリーとして残っている。そんなエリアを自転車でめぐるためにGPSウォッチを起動。

現地でサイクリングマップを見せてもらったのだが、縦横無尽にコースがはりめぐらされている。コースに番号がふってあり、実際に走ってみると交差点などの脇に案内看板が設置されているので、地図を見ながら目的地を目指すことはできる。ただし自分がどこを走ったかは地図に赤ペンで書き込みしながら進まないと、あとでまったく分からなくなるのは確実。そこでfenix 3J Titaniumにプリインストールされたアクティビティの中から「バイク」を選択し、スタートボタンを押す。ゴール時にもう一度このボタンを押して「保存」すれば、足跡は確実に記録されるというわけだ。日本版GPSウォッチであっても問題なく欧州で使えるのである。

「屋根のない美術館」とも言われるベルギー西部のブルージュでは市内散策のときに起動させた。さすがに「ウォーク」というアクティビティはないので「ラン」を選択。GPSを補足しておけば、気ままに街中を歩いてもどんな路地を通ったかがあとで一目瞭然。クラウド上に記録されたルートに写真を撮った場所をひもづければどんなガイドブックにも負けない観光案内図にもなる。このブルージュではさらにはレンタルサイクルを借りて、運河沿いに7kmほど離れたダムという小さな村を目指した。こうした旅の行程をすべてfenix 3J Titaniumが記録してくれるのだから楽しい。

◆GPSの弱みは高度、それを補うのが気圧計

GPSウォッチの中でもABC(高度計=Altimeter、気圧計=Barometer、コンパス=Compass)を搭載した多機能時計があり、fenix 3J Titaniumもその仲間だ。気圧計測によって高度(標高)が表示される。GPSで補足した現在位置をもとに地図上に埋め込まれた高度を表示するモデルもあるが、fenix 3J Titaniumは気圧計も併用してさらにその精度を高めている。GPSの特性として平面上の位置特定は得意なのだが、縦方向の(つまり高度の)特定は不得手である。天空に飛ぶ衛星からの信号をキャッチするのだからそれもそうだ。

その不得手な部分を補うように開発されたのが気圧計(バロメーター)搭載のfenix 3Jシリーズなのだ。繊細な気圧計測によって縦方向にどのくらい上下動したかが補足される。これはトレールランや山岳サイクリング、もちろん登山やスキーなどには欠かせない重要な機能で、高い精度を求められる。そこで今回は地下トンネルに潜ったら高度がどれだけ下がるかを検証してみた。

おあつらえ向きの場所がアントワープにあった。この町はユダヤ商人によるダイヤ取引が盛んで、中世のころからヨーロッパの十字路としての要衝だった。そのため運河に不要な橋を架けることはしなかった。だから平和な現代になっても橋が極端に少ない。それでは困るだろうと自転車と歩行者、ランナーのために地下トンネルを作ってしまった。ということでレンタルサイクルを借り、fenix 3J Titaniumのアクティブ選択をサイクリングにして、スタートボタンを押して出発。

◆うまく記録できず少し残念、だが利用方法は様々

すぐに運河の下を通るトンネルへの入口を見つけたが、自転車が昇降するためのエレベーターが故障のため休止していた。しかたなく現地の人がやるように、木造のエスカレーターに自転車ごと飛び乗り、自転車が落下しないように抑えながら最下部へ。日本だったら安全上の理由でこんなことはさせないなと思うほどの芸当だったが、無事に地下通路に到着し、ひんやりとしたトンネル内を走って対岸に行き、結局はそれを往復してこの日の走行ルートを保存した。

すぐにスマホに同期させて、その日の夜にはパソコンサイト「connect.garmin.com」で確認したのだが、トンネルまで降りた高度差はうまく記録されていなかった。GPSの電波が途絶えた部分なので平地と認識されたのかな。できれば気圧計で高度を補足して高低マップに落差をつけてほしかったが、残念ながら真っ平らだった。

しかしながら海外旅行がとても楽しくなったのは確かだ。そして旅が終わってからもその足跡をたどって思い出話に花が咲いたりすること請け合い。マルチスポーツトレーニング用のfenix 3J Titaniumなんだけど、その利用方法はさまざま。活用した者が勝ちだ。

《山口和幸》

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