【ジャガー F-PACE ディーゼル 試乗】SUVとしては魅力的だが、これがジャガーなのか?…諸星陽一

試乗記 輸入車
ジャガー F-PACE 20d プレステージ
ジャガー F-PACE 20d プレステージ 全 11 枚 拡大写真

ジャガー初のSUVとなる『F-PACE(Fペイス)』には3リットルのガソリンエンジンと2リットルのディーゼルエンジンが用意される。ディーゼルエンジンのグレード展開は、ボトムからピュア、プレステージ、Rスポーツとなる。

試乗を行ったのはディーゼルの中間グレードとなるプレステージ。搭載されるエンジンは180馬力、430Nmのパワー&トルクスペックを持つもの。組み合わされるミッションは8速のAT。2トン弱のボディを持つFペイスだが、エンジンに大きな不満を感じることはない。必要にして十分で、SUVというボディタイプとの組み合わせではマッチングがいい。

ハンドリングもシャープでスポーティ。サスペンションの剛性が高く、がっしりと動きをまとめている印象。駆動方式が4WDで、前後トルク配分を絶妙にコントロールしていることもあり、走りの安定感はかなり高い。ボディの大きさを感じさせないところは、乗っていて好印象だ。乗り降りを楽にし、作動もスマートな収納式の電動サイドステップなど、装備のよさも光る。

ミッションの完成度が高く、シフトショックも少ないので、ディーゼルエンジンの低回転&高トルクを上手に使って効率のいいドライビングが可能だ。エンジン回転を上げることなく走れるのもなかなかいい。しかし、どうだろう? ジャガーというブランドにそうしたことが求められるのだろうか?

燃費のいいジャガーがほしい…、無駄のないジャガーがほしい…もしかしたら今はそういう時代なのかもしれないが、やはりジャガーらしさを感じるなら3リットルガソリンエンジン搭載車だろう。

輸入車のSUVで完成度の高いモデルが欲しいということならば、このディーゼルエンジンモデルはオーナーを満足させてくれること間違いなし。しかし、ジャガーらしいプレミアムなSUVが欲しい…と言う方はガソリンエンジンのほうがマッチングがいい。ある意味、ジャガーなどのブランドは無駄の美学という面も持っているものだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 車内が即ネット空間に! 新型USB型Wi-Fiルーターがドライブを変える[特選カーアクセサリー名鑑]
  2. 「発売はいつ?」ヤマハの新型スーパースポーツ『YZF-R9』、国内導入を待ち望む声続々
  3. 【スズキ ジクサー250 試乗】250ccでダントツにリーズナブル! この手軽さと奥深さはスズキ随一の仕上がりだ…伊丹孝裕
  4. 狭い道! 制限1.9mだが何かがおかしい…東京都小金井市
  5. 「最初からこれが欲しかった」レクサスの特別な『LBX MORIZO RR』限定発売に、SNSで反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る