運転中に意識を失う---特発性過眠症での事故、無罪判決を破棄して有罪に

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2014年7月に福岡県那珂川町内で死亡事故を起こし、一審では無罪の判決を受けたものの、検察側が控訴していた23歳の女に対する控訴審の判決公判が26日、福岡高裁で開かれた。裁判所は一審判決を破棄。執行猶予付きの有罪を命じている。

問題の事故は2014年7月に発生している。那珂川町内の町道を走行していた軽乗用車が歩道に乗り上げ、歩道を歩いていた70歳の男性に衝突した。男性は全身を強打し、収容先の病院で死亡している。

クルマを運転していた春日市内に在住する22歳(当時)の女は意識が朦朧とした状態で事故を起こしていたが、後に睡眠障害の一種である「特発性過眠症」と診断されていた。女は事故の数日前から立ちくらみや意識を失う症状があったことを自覚しており、事故当日も病院へ診察を受けに行ったが、その帰路で事故を起こしていた。

検察は「運転中に意識を失うことについて、被告には予見性があった」として、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死)罪で女を在宅起訴していたが、一審の福岡地裁は「特発性過眠症と診断されたのは事故後であり、診断前に病気に罹患していると被告が認識することは困難」と判断。事故の予見性は無く、運転を控えなかったことに過失は問えないとして無罪としていたが、検察はこれを不服として控訴。二審でも予見性の有無が争点となっていた。

26日に開かれた控訴審判決公判で、福岡高裁の林秀文裁判長は被告が事故の数日前から意識を失う症状を発していたことを指摘。「特発性過眠症と診断される以前ではあったが、食事中に突然居眠りをするなどの症状があり、運転中に同様の状態に陥る可能性は被告も認識できた」と判断。事故の予見性を認めた上で一審判決を破棄し、禁錮2年(執行猶予3年)の有罪判決を言い渡している。

《石田真一》

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