【ジョンソンコントロールズ・オートモーティブ】シート全部から中身まで

自動車 ビジネス 企業動向
【ジョンソンコントロールズ・オートモーティブ】シート全部から中身まで
【ジョンソンコントロールズ・オートモーティブ】シート全部から中身まで 全 4 枚 拡大写真
ジョンソンコントロールズから近々独立する、ジョンソンコントロールズ・オートモーティブ(以下JCA)。同社はレカロも傘下に置くシートのトップメーカーだ。

同社が扱うシート事業は大きく5つに分けられる。まずはコンプリートシートだ。これは、シート全部を受注するもので、「25年以上のJIT(ジャストインタイム)生産の実績があり、自動車会社の隣に工場を構えて生産行ってきた」と述べるのは、ジョンソンコントロールズ・オートモーティブジャパン社長の内田博之氏だ。

次に、トリム事業で、これは、シートの中のトリムと呼ばれる表皮だけを受注する仕事だ。内田氏によると、「カット&ソーから、生地そのものも販売している」という。

そして、フォーム事業はシートの中のスポンジを受注する仕事だ。「フォームは50年以上にわたり提供している。他メーカーもフォームを作っているが、フォーム素材の配合を自社行っているのが我々の強みだ。これにより硬さを変えたり、フォームの戻りなどを的確に注文に応えられる」と説明。

メタル&メカニズム事業は、カイパーというレカロの親会社を買収したことで発展した。「特にカイパーのリクライナーの評価が高く、他メーカーでは真似の出来ないフィーリングを持っている」と内田氏。

最後はレカロ事業で、日本では滋賀に工場がある。「ここはパッセンジャーカーのOEMと、アフターマーケット品を作っている工場だ」とし、レカロ事業に関しては、「現在はブランドを分ける意味もあってなるべくタッチしないという方針だ」と話す。

同社の基本的な開発の考え方について内田氏は、「先進的な技術を投入して行くと同時に、我々はクラフトマンシップが得意だ」と述べる。具体的には、「我々はシートの表面や座り心地を重要視している。そこで、そういったノウハウや評価が出来るマイスターと呼ばれる職人が各拠点におり、そのマイスターが座ることでそのシートの強みや欠点がわかるようになっている」。そして、「この点は、他メーカーと比較をしても優秀だと評価され、このコンセプトはどの自動車メーカーからも歓迎されている」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ヤマハの3輪スクーター『トリシティ』が進化! SNSでの注目は「デザイン」と「屋根が付くか」
  2. 「じゃじゃ馬っぽくていい」ホンダ『ヴェゼル RS』先行公開に早くも反響! デザインと性能に注目
  3. 「本気の電動二輪が出てきた」ホンダ初のフルサイズEVバイク『WN7』発表にSNS沸く
  4. 新型取締機「JMA-520/401」に対応、セルスターがコンパクトな一体型レーダー探知機を発売
  5. ホンダ初のフルサイズ電動バイク『WN7』発表、航続130km…2026年欧州発売へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る