【スーパーフォーミュラ 第5戦】レース2…国本雄資が悲願のシリーズ戦初優勝を達成

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SFのシリーズ戦で初優勝を飾った国本雄資。
SFのシリーズ戦で初優勝を飾った国本雄資。 全 16 枚 拡大写真

スーパーフォーミュラ(SF)第5戦は11日、「レース2」の予選&決勝を岡山国際サーキットで行ない、前日のレース1で惜しくも2位に敗れていた国本雄資が、悲願のシリーズ戦初優勝を成し遂げた。

土日完全個別の2レース制大会、日曜のレース2は予選がQ1~Q2の2段階ノックアウト方式(19台中10台がQ2進出)で、決勝は51周・約190kmの中距離戦。決勝レース中には4輪タイヤ交換義務(ドライ路面用タイヤでスタートした場合)がある。岡山の天候はこの日も晴れ、温度条件は決勝スタート前で気温33度/路温41度と今日も暑い。

午前中の予選でポールポジションを獲得したのは#40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)。前日初優勝を飾った#41 S.バンドーンの僚友である野尻は、ルーキーだった一昨年に初優勝を経験済みだが、ポールポジションは初めてになる。#41 バンドーンも予選3位と、DANDELION勢は前日から好調を持続。

ただ、#41 バンドーンには予選中、ガレージを離れる際にチームクルーがブレーキ冷却用器具の外し忘れをしてしまったことに起因する3グリッドダウンペナルティが科され、決勝は6番グリッドからのスタートに。

予選2位は#1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)。そして予選4~6位の3人、#3 J.ロシター(KONDO RACING/トヨタ)、#19 J-P.デ.オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)、#2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)が3~5番グリッドに繰り上がって決勝に臨む。

決勝スタートで#40 野尻は先頭をキープ、これに#1 石浦が続く。レースフォーマットとマシンやタイヤの特性等々を考えた場合、序盤のタイヤ交換義務消化という作戦を採るマシンが相当数いるだろうと予想されたが、実際、1~2周目に半数近くのマシンがピットへ。この序盤ピット組の先頭に立ったのが#2 国本だった。一方、レース全体の先頭を走る#40 野尻のペースがもうひとつ。ペースに勝る#2 国本が次第に“実質先頭”の座を固めていく展開になる。

21周目に#40 野尻がピットインし、上位で唯一まだピットしていない#1 石浦が(見た目の)先頭に立った時点で、2~6番手は#2 国本、#37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)、#40 野尻、#36 A.ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)、#19 オリベイラ。国本同様に序盤ピット作戦を採ったTOM'S勢が予選11&13位から浮上している。今回のレースでは#40 野尻の前半のペースが上がらなかったという状況の後押しを含め、序盤ピット作戦が成功したのだ。

30周目にスピン~ストップした車両が出たためセーフティカーが入ることになると、#1 石浦が31周終了でピットへ。トップ(#2 国本の前)で戻れないことは#1 石浦も分かっている状況だったが、コースに復帰したところを#40 野尻に1コーナーで前に出られるかたちとなり、石浦は4番手の位置に収まる。

この時の#40 野尻の先行状況に対しては、セーフティカーラン中の追い越しということで、のちにドライブスルーペナルティが科された。34周終了でレース再開、#40 野尻がペナルティを受けた段階でのトップ3のオーダーは#2 国本、#37 一貴、#1 石浦。タイヤ的には#1 石浦に最も余力があり、彼は終盤、#37 一貴にチャージをかけていった。だがオーバーテイクには至らず、レース2の1~3位はそのままの順位で決着する。

#2 国本にとっては変則的な独走優勝ともいえるかたちでの初勝利。同じ作戦で戦った2位の#37 一貴に、「今日は国本のペースが速かった。仕方ないですね。負けました」といわしめたことがその証左だ。前日のレース1での悔しくてたまらない2位の雪辱を翌日に晴らしてみせた。

#2 国本雄資のコメント
「作戦も完璧でしたし、その後のペースも良く、後ろを離せました。本当に満足のいくレースでしたね。去年は結果を出せなくて、不安なシーズンのスタートでもありましたが、チームやたくさんの人たちが支えてくれて、こうして優勝することができました。ホッとしていますし、すごく嬉しいです」

国本雄資は明日(12日)が誕生日で26歳になる。2010年に全日本F3選手権Cクラス(総合部門)でチャンピオンとなり、翌年から若くして全日本トップフォーミュラ(当時のFニッポン~現SF)のレギュラーに定着。SUPER GTでも12年からGT500クラスのレクサス陣営で活躍しているが、SFのシリーズ戦優勝にはもう少しのところで辿り着けずにいた(シリーズ戦ではない13年JAF-GPでは優勝)。

今季の国本は安定した成績を収めており、前日のレース1で2位になった時点でシリーズリーダーに浮上。今日の初優勝で後続へのリードを4.5点へと拡大した。まだまだ混戦状況ともいえるが、タイトルに向けて「これからもバンバンいきます」と燃えている。終盤に向け、楽しみな存在となってきた国本だ。

4位には#36 ロッテラーが入り、5位の#19 オリベイラまでトヨタ勢がトップ5を独占。6~8位はホンダ勢で、#16 山本尚貴(TEAM 無限)、#41 バンドーン、#11 伊沢拓也(REAL RACING)の順だった。

#40 野尻は最終的に16位。また、#8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)は「(マシンの調子的には今大会で)ちょっと前進した気はしますけどね」という状況ながらも流れの向かない展開に終始し、レース2は予選10位、決勝17位という結果だった。

SFの次戦は宮城県のスポーツランドSUGOに舞台を移し、9月24~25日に通常の1レース制フォーマットで開催される。残り2大会、初優勝で波に乗った状態で逃げる国本を4.5~8.5点差で追う石浦らとの王座争いがクライマックスに向かう。

《遠藤俊幸》

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