【メルセデスベンツ C350e 試乗】他の Cクラス の出来が良いだけに…片岡英明

試乗記 輸入車
メルセデスベンツ C350e アバンギャルド
メルセデスベンツ C350e アバンギャルド 全 8 枚 拡大写真

新世代メルセデスベンツの先鋒としてバリエーションを拡大している『Cクラス』に加わったのが、ハイブリッド車に充電機能を加えたプラグインハイブリッドの『C350e』である。パワートレーンは211ps/35.7kg-mを発生する2.0リットルの直列4気筒DOHCエンジンに、定格出力68ps、最高出力81.5psのモーターだ。リチウムイオンバッテリーの容量は6.28kW/hで、満充電状態なら25.4kmのEV走行を行なうことができる。

ネーミングから分かるように、3.5リットル相当のパフォーマンスを発揮し、立ち上がりトルクが豊かなモーターだから加速は軽快だ。アクセルを踏み込むとモーターを使って走り出すが、トルクが一気に湧き出して力強い加速を見せつけた。しかもEVの領域が広いからパワーフィールも上質である。1モーター2クラッチ式のハイブリッドシステムは7速ATと相性がいい。ダイレクト感のある加速を披露し、キレのいいシフトフィールも好印象だった。クルージング時の静かさと静粛性の高さも特筆モノだ。

ヨーロッパ生まれのクルマだと強く意識させられるのは高速走行である。クルージング性能は超のつく一級だ。アダプティブクルーズコントロールの出来もよく、自動追従しても不安感はまったくない。低速走行を強いられる日本の渋滞路でのドライバビリティも優れている。だが、バッテリーを使い切ってしまうと、魅力は半減した。EV走行のときほどの活気はなく、パンチ力や滑らかさも物足りなく感じられるのだ。エンジン走行との切り替えなどで滑らかさを欠いた場面があるなど、EV走行のときほどの感激はない。

BMW『330e』ほどスポーティではないが、扱いやすいハンドリングだ。モーターを搭載した分の重さは乗り心地のよさを生んでいる。残念なのはBMW 330eと較べて割高と感じるプライスタグだ。他のCクラスの出来が良いだけに積極的にすすめられないのである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

片岡英明│モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員

《片岡英明》

片岡英明

片岡英明│モータージャーナリスト 自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  2. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  3. 日産 リーフ 新型を発表、第3世代は航続600km超のクロスオーバーEV
  4. サブコンが再評価される理由と純正ECU時代の新常識~カスタムHOW TO~
  5. 「欧州のカローラになりそう」ルノーの最新ハイブリッドコンパクトに日本のファンも熱視線!
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る