いまどきの工事現場 その1…測量は空撮ドローンで15分

自動車 テクノロジー ITS
日本キャタピラー建設ICTセミナー&試乗会
日本キャタピラー建設ICTセミナー&試乗会 全 13 枚 拡大写真

日本キャタピラーが開催している「建設ICTセミナー&試乗会」は、同社が提供する最新ICT機器を駆使した工事、「i-Construction」に関する技術を建設業者の人に体験してもらうイベントだ。このイベントを取材する機会を得たのでレポートしたい。

なお、同社でのi-Constructionに関する技術、ソリューションを「CAT CONNECT」と呼んでいる。

まずは「測量」だ。工事現場や野外の作業現場では、多くの重機が活躍する。ただ単に地面を掘ったりしているようにみえるが、道路建設にしろ区画整理にしろ、実際には測量したデータをもとに設計図を引き、図面にあわせて工事を行う必要がある。

測量といえば、三脚についた望遠鏡のようなものと、縞模様の棒を使った作業を思い出すかもしれない。工事現場などで着工前によく見かける光景だ。これらの機器もレーザー測量など近代化が進むが、いまはさらにドローンを使った測量も始まっている。

i-Constructionでは、現場の3Dデータをもとにどのような形に整地するのか、どんな穴をどれだけ掘るのかなどを設計する。ショベルカーやブルドーザーはそれに合わせて山を削ったり地面を整地する。GPS情報を基準とした3Dデータがあれば、どのように重機を動かせば設計図どおりになるかが計算できる。つまり、建設ICTにおいて測量はGPS情報による地形データを測量し、それを3Dモデリングするところから始まる。

測量は、ローバーと呼ばれるGPS受信機を利用して現場の各ポイントの位置情報から3Dモデルを作成するか、ドローンによって現場の上空写真を撮影して、画像データから3Dデータを計算する方法がある。ドローンを使ったほうが、現場での作業は圧倒的に効率化できる。測量用のドローンを飛ばし必要な写真を撮影するだけだ。撮影だけなら5分、10分の単位で終わらせることができる。

撮影した画像を、画像解析ソフトなどで地形の3Dデータを生成するのはデータを会社に持ち帰ったあとでもよいし、必要なら現場から画像データを送って処理してもらうことも可能だ。

生成された地形データをもとに、現場の設計図をCADソフトで作成する。作成したデータをコンピュータ制御可能な重機(キャタピラーならCAT CONNECTに対応した重機)に読み込ませれば、あとは半自動で重機を動かすことができる。

《中尾真二》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スイスポ最終モデルの完全進化形! BLITZが手掛けた“走りと快適”の完熟セットアップPR
  2. BMWの電動スクーター『CE 04』、3つの新デザインバリエーション発表
  3. これが最後のガソリンエンジンか!? BMW『X5 M』が歴代最強の700馬力オーバーに
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 名車「964型ポルシェ 911」を最新の姿に甦らせる、シンガーが最新レストア作品披露へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  4. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る