【トヨタ プレミオ 試乗】人に優しい安定のジャパニーズセダン…島崎七生人

試乗記 国産車
トヨタ プレミオ 2.0G・EXパッケージ
トヨタ プレミオ 2.0G・EXパッケージ 全 9 枚 拡大写真

ドアを開けようとハンドルに手をかけると、裏側が手にやさしい曲面で、しかもそれだけでコトン!とロックが解除された。ボタンを押しながらとか、ある部分に触れながら…といったややこしさがなく、実に人に優しい設計のクルマだ、と思えた。それだけでも。

試乗車は『プレミオ』の最上級モデル「2.0G・EXパッケージ」。シルバーメタリックのボディ色ということもあり、外観はかなり大人しく無難な印象。まあ、この安定感こそが狙いなのだろう。

インテリアも同様。奇をてらわないデザインと、見栄え、手触りともに十分な上質感が実感できる。スタッガード式のシフトレバーが備わるコンソールまわりは木目パターンが似通っていてEクラス「W124」の雰囲気? ピラートリム、サンバイザー、天井等、起毛のトリムにしてあり品質感が高い。オプションの本革シートもシンプルで落ち着いた雰囲気だ。フチをしっかりとかがってあるトランクルームのカーペット、リッド裏のトリムにも品質感がある。 

豊かな室内空間も基本は評価したい。ただし個人的にはセダンならAピラーをより立てて手前に寄せたいし、後席ドアの開口部形状(乗降時に頭が通る付近)はもっと水平に後ろに延ばしたいと感じた。かつての『プログレ』のような四角いパーソナルセダンは復権してほしいと思う。

走りは、乗り味に“トロ味”が増せばなおいいが、ある種の路面でロードノイズがかなり低く感じられたりと、クラス相応にはなっている。やや操舵力が重めのステアリングにも安心感がある。2リットルということもあり動力性能は十分で、高速走行時には80→100km/hの加速もスッと行なえるなどストレスがない。

そして燃費のよさ。今回の試乗で満タン法で割り出された数値は17.8km/リットルだった。1.8リットルモデルのJC08モード燃費(16.4km/リットル)を上回るほどだった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る