「0.4G」運転でモテ度アップ? 新型 アクセラ でGを制する

自動車 ニューモデル 新型車
マツダ Be a driver. 体験試乗取材会で「Gボールトライアル」に挑戦
マツダ Be a driver. 体験試乗取材会で「Gボールトライアル」に挑戦 全 12 枚 拡大写真

今年7月の改良で新型車両安定装置「Gベクタリングコントロール」を搭載したマツダのCセグメントコンパクト『アクセラ』。そのアクセラ1.5ディーゼルを使ったユニークな競走を体験する機会があったのでリポートする。

メディア向けイベント「Be a driver. 体験試乗取材会」の中でおこなわれたその競走とは、名づけて「Gボールトライアル」(正式名称はなし)。凹面鏡のような形状の皿にボールを入れた「Gボール」という装置をダッシュボード上に設置し、そのボールを落とさないように気をつけながらミニサーキットを走ってタイムを競うというものだ。

Gボールの皿の底はもちろん0Gで、静止時にはボールはそこにとどまる。皿には0.1G刻みで同心円状にラインが引かれており、皿にとどまる限界は0.4Gだ。この0.4Gという数字、一般的な運転環境であれば、徐行程度からの急ブレーキや多少勢い良くカーブを曲がった時などの数字に近いのだという。

まずは練習走行。走り始めてすぐにシケインがやってくる。そこは慎重に通過したため何事もなかった。何だ、これならずいぶん余裕じゃないかと、その後のコーナーに加速しながら進入したら、いきなりボールが皿からコロリ。「え?たったこれだけでもうダメなのか」とびっくり。

ボールを落とさずに走るコツとなりそうだったのは、ピークを作らないこと。コースは異なるRの複合コーナーやS字コーナーがあり、たとえ余裕をみてゆっくり走っていても、走行ラインの読みが悪くてステアリングを切り足したりすると、その瞬間ボールに大きな力がかかる。0.4Gに近いところでそういう読み間違いをやらかすと一発アウトだ。

目の前のコーナーばかりに気をとられるのではなく、先の先のコーナーくらいまでのラインを読んで、なるべく定常旋回になるよう心がける。また、S字における急な切り返しも致命傷になりやすいので、コーナー出口に差し掛かる前からステアリングを戻してクルマの横方向のぐらつきを徹底排除する必要がある。速く走るには、運転操作とストラテジーの両方が重要だ。

が、それらのことに最新の注意を払い、コーナリング時に0.4Gギリギリを結構保ちながら走ったにもかかわらず、タイムは伸びなかった。横方向にばかり気をとられ、加減速方向の0.4Gについては全然うまく使えていなかったからだった。これはなかなか難しい…車両の限界ではなく、Gボールというまったく別のリミットを設けてクルマをコントロールする技術を競うのは、想像をはるかに超える楽しさであった。

マツダのエンジニアによれば、0.4Gの範囲内でスムーズに速くクルマを走らせられれば、大してドライブ馴れしていない同乗者もストレスより楽しさのほうが優越する可能性が高いとのこと。バブル世代的感覚では、これで運転技術を磨けば女の子が喜んでクルマに乗ってくれるかもなどと思ってしまう。別にデートドライブでなくとも、同乗者もクルマでの移動を爽快と感じるような運転スキルを磨けば、ドライブはもっと楽しいものになることだろう。

Gボールトライアルは一般のカスタマー向けのイベントで実施したことはないそうだが、車種を選ばず完全な市販車で参加でき、しかもヘルメットすら不要という手軽さは魅力。ぜひ試しに多くの人が試せる機会を持てれば面白いのにと思った次第だった。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る