【マツダ CX-3 試乗】コンパクトで上質なSUVの趣が高まる…島崎七生人

試乗記 国産車
マツダ CX-3 XD L Package 4WD
マツダ CX-3 XD L Package 4WD 全 7 枚 拡大写真

試乗車は4WDモデル(XD L Package)。2015年3月の導入時にいち早く試乗するも、その仕上がりに実は個人的に納得がいかずレポートを“保留”した経緯がある。そこで新型になり、今度こそ期待値を上回ってくれたかどうか…は、何をおいても注目点だった。

結果はオーライだった。ポイントは2つ。ひとつがステアリングフィールで、初期型はパワーステアリングの制御が大径18インチタイヤに負けてギクシャクとしていたが、今回は全体に適度な手応えが感じられる上、スムースで自然なタッチに改められていた。もうひとつが乗り味だが、コチラも低速でのキツ目の突き上げが影を潜め、コンパクトでもSUVであるなら期待したい、まずまずのヒタッとした乗り心地に進化していた。

低速からスピードを上げ、コーナリングに入るまでの全体の“ストーリー”も統一感が生まれ、安心感、快適性が高まった。とくにコーナリング時の安定感の高さは実感できることのひとつ。改良型ではGVC(Gーベクタリングコントロール)が標準搭載となったが、その効果は実に自然で、直線路を普通に駆け抜けているかのような感覚が体現されている。

1.5リットルディーゼルターボは、穏やかなアクセル操作に対する反応がよくなり、スムースに走らせられるようになり、回転を上げた際も、確かに耳障りな音が減った。またバックドアガラスの板厚アップや、トリム裏(ハイマウントストップランプ装着部)への吸音材の追加など、静粛性への対策もこだわったことのひとつという。走らせていると、ハッチバック車やワゴンでよくある“後方から車外騒音がどこかの隙間を縫って入ってくる感じ”がほとんどせず、室内後半がカプセル化されたような印象になっている。

総じて、乗り味や静粛性に磨きがかけられたことで、コンパクトで上質なSUVの趣が高まった、と感じた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 真夏のダッシュボードが20度以上低下!? 驚きの遮熱サンシェード新時代[特選カーアクセサリー名鑑]
  2. 「これは欲しくなる!」ランチア『イプシロン』のスポーツグレード登場に日本のファンも注目
  3. マセラティが新型車を世界初公開へ、「トライデント」ロゴ誕生100周年を祝う…グッドウッド2025
  4. 父親への贈り物に“16万針の刺繍”で飾ったロールスロイスを…世界に一台の『ファントム・ダンテル』公開
  5. 新型『キックス』ブラジル発売で浮き彫りになった「日産への期待と本音」
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  4. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る